新章3 いよいよ
「今まで俺達が見て来た段階では、全く残っていなかったもんな・・でも、最深部の今地下坑道は、レンジも光ソードの材料で掘削をしていて、俺達はまだそこには探索はしていないだろう?」
「ああ・・していない。今はリスクが多いと言う事で躊躇しているんだよ」
「例えば?」
「問題は空気だ。俺達は、地下通信路には満ちた新鮮な空気がそこに当然あるように思っているが、レンジが作業していた地下通信路には、新鮮な空気が送り込まれていたようだが、当時の地下坑道にそれは無いと思う」
話は長かった。彼らは思っている事を次々と吐露して行く。
「そうか・・今はこうして空路が開けた。敢えて地下坑道を危険を冒してまで探索する必然性は無いって事か、それに誰がやるんだよ、俺達だけ?って言われれば、嫌だな、そこも」
「ははは・・そこには光ケーブルは無いからな」
「ん?無線の光ケーブルって、それこそ地球の全てに網羅されているんじゃ・・」
リンが言うと、途端に、
「あ・・俺達はそれを何か地表だけあるかのように思っていた。盲点だったのかもな」
「だったとして、マグマの中を探索する必要もねえよ。でも、この無線光ケーブル網と言うのは、情報収集の可能性も持っているのなら、各国の主要施設をさえ貫通していたと言う事になるぞ、あの幽霊原子と同じでさ」
ダンが言うとシンが、
「そこを感づいちまったか・・俺が北海道に行った本来の理由はそこさ」
「じゃあ・・電磁場も、光子も、同じようなものと見ているのか?」
「じゃ無いかなと思ったんだよ。だって、宇宙へ行き来するには、重力と言うものを克服しなきゃならない、反重力と言うのは随分前から進化していて、宇宙船も同じ機種を何度も使えるようになっていたし、人工衛星そのものが宇宙空間に行き来出来るようになっていたとも言う。ただ、この無線光ケーブルとはそもそもの原理が違うと思う」
「そりゃあ・・日本独自、和良光ケーブルだもんなあ」
「それを利用しているのが、ケンシン開発室部長だよ。つまり、反光素子とも言う。だから、空気抵抗すらも受けない、極論すれば、光素子そのものが物体をすり抜けるような幽霊素子なんだとも言えるかも」




