新章3 いよいよ
「もしさ・・その中で地球上にも居るが、真空でも生き延びられる生物は存在する。流石に大気圏に突入する際に起きる熱によって、その生の姿そのものでは到達出来ないが、今のMSI飛機を見ても、摩擦係数なんてどこに発生する?回転する2重、3重の被膜がその重力圧すらものともせず、摩擦係数を消去し、エレベーターのように上昇・下降するんだ。その昔宇宙エレベータと言うナノカーボンの糸で、月等に移動する手段も考案されたが、無線光ケーブルの事を知れば知るほどその原理は、むしろ地球上では無く、宇宙に向いている事も分かって来る。俺達は、今やっと這い這いから伝え歩きを始めたばかりの者だけど、そんな近時代の過去には眼が向いていた。またその中に危ない地球滅亡の幾つものシナリオがあって、地球のその地殻大変動から自分達が逃れられないのなら、いっそ宇宙に逃げようかと考えても不思議な事じゃない。むしろ積極的に考えたとしてもおかしく無いだろう?」
「もしや・・今シンが言う言葉の先を考えると、このMSI飛機はひょっとしたら宇宙へ行く事も可能か?」
「ああ・・可能だろう。ケンシン開発室部長が最初からそこまで考えて開発しては居ないだろうが、元々こう言う素材を大量に製造し、地下倉庫に遺し保管をしていた。そして有線のケーブルもだ。あれだけの大天才が、もっともっと色んな事を想定しなかった筈も無い。・・だろうと俺は思っている」
「そのよちよち・・這い這い状態の俺達がかよ・・シン、何時もお前はスケールがでか過ぎるわ。今から俺達が何の準備をしているのかも分からない中で、宇宙の話かよ・・こんなソードまで作り、穴を掘る為じゃ無いわな、勿論さ」
「ふ・・だから、そこはヲタクの底力を舐めるなよ、ダン。奴らはランもそうだが、すぐ自分の趣味嗜好の方に発想を繋げる。悪く言う訳じゃなく、本当に凄いなと思っているけどさ、ケンシン開発室部長だって、元々映像・画像の加工分野での才能の持ち主だけど、この光ケーブルの応用と、MSI飛機の転用なんて誰が思いつくかよ。それこそ、これは昔のSF小説やDVDの画像からの発想だったようだし、球状になったのは、サテンやウテンが風船のように膨らませて内圧を与えた後、パンとやれば、壁の修復がとんでもなく早く改善出来たと言う事を見てからだろう?あの2人は土木工学系の専門家だ。そう言う工法を知っていたが、その理論をそのまま応用したんだ。無線LAN、と有線LANの違いとは、表層の被膜、それが反発するS極・N極の電子だと言う事も分かっていたからこそ、その中に永久不滅な光素子と呼ぶんだそうだが、それを閉じ込める発想をした和良博士の考えを、逆に応用したのが球状の現機種だ。元々お笑いだけど、地下通信路の壁素材や、ドームの素材にも繋がる液体での大量保管もあったし、今でもそれを使えた事が大きいし、十分製造可能だ、資源は無限にあるんだからな。そして、多分・・それは無用じゃなく、どこかで使う筈だったんだよ。俺はこの事を見て、発想はもっともっと柔軟であるべきだと思った。馬鹿な事を思いつくなと言うだろうが、そこで自由に試して見られる環境が今はある。だからこそ、今はそう言う事を求められているんだよ、シン」
「シン・・それを一遍に言うなよ、頭が混乱しちまう」
ダンが苦笑する。シンも苦笑いになった。




