表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
923/1722

新章3 いよいよ

「はい。我々はとにかくアリューシャン列島、千島海域、樺太も含め探索をやる計画です。熱水発電も順調で、サテン・ウテン班長設計・施工の半ドームもすこぶる機能的で、塔の粉々になった破片を再利用するとはナイスアイデアだなと思った。そこに、確かにイミテーションであろうとも塔があったと言うモニュメントが残せたのは大きい。流石に大葉は育つが、山切りの木は限界のようで、小ドームの中で、育てる計画が進行している」

「分かりました・・では、やはり遠方を探索する足としては、MSI飛機が一番今の所活用すべき乗り物だと思う訳で、ここまでも相当多くの試乗を重ね、今も尚改良を継続しておりますが、旧鉱山地下の鉱物については、やはり流用も不要と言う事で相当数の坑道を今も埋めております。その熱水の蒸気による発電は、旧式も旧式の大昔・・数百年以上も前のものを再現した訳ですが、問題無く稼働する事が出来ました。九州本部の発電施設が非常に参考になった為、資材の運び込みには苦労しましたが、これも中央支部、東北支部が出来たおかげで、あっと言う間にここへの拠点網が出来たと存じます」


 これは議題では無く、報告のような話になってしまった。

 シンが助け船、


「ケンシン開発室部長、そのMSI飛機が、今後我々の移動手段となりますか?国内用と、海外用とではかなり速度も飛翔高度も違うと思いますが」

「はい、国内用は最高高度が1000M、主に海岸ルートを飛翔します。乗員も5名までは可です。移送手段にはMSI飛機―Bタイプを使用し、地下通信路を走ります。速度は200キロまで可能です」

「ほう・・もうそこまで」

「いえ・・どうしても過去の乗り物と比較してしまいます。構造も素材も、またシステムでさえも、今のものとは異次元的に違うものではありますが、地下通信路も意外にも日本主要四島を結ぶメイン道は残っており、現在においては非常にそれが役立っておりますと共に、ウテン・サテン班長の技術力と修復作業には、非常に助けて貰っております。更にその修復剤がこうも色んな面で役立つ事は、現我々の行動範囲を広げ、移動を高速化出来た次第です。ただ、それでは満足出来ないものと言わざるを得ません。私は賞賛されるのは本来光栄な事なのでしょうが、恥ずかしい思いと情けない気持ちでいっぱいなんです」


 何と奥ゆかしい人なのだろう。議題をあげよと言うが、この人の場合は現状報告と、今後の改善点を見つけると言う目標に終始してしまっているのだ。だが、続けて言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ