基地
聞いた事は無かった。沢山居るだろう事は分かっていたが、数の把握までは自分達の役割では無いと思っていたからだ。それに実動指令は、通路を構築する事が最優先にあった。その為オオコウモリの襲撃を受けないように、防御手段を講じていただけだ。それがいきなり捕獲をしようとマコト副長が言い出した時には驚いたが、それも許可された。シン達には他にもやる事が一杯あったから、今もあるが、その個人達の行動までは全てを把握する役目でも無い。それを監督・指導するのはエライ班長とシリマツ官吏だからだ。
「約5000頭がこの行動範囲の円周状に居ると仮定しました」
「多いねえ・・100キロ範囲に5000頭ですか・・」
多いのか?シンは思った。もっと多いのかと思っていたからだった。シン達ドームの大きさは卵状のだ円形で、長さが10キロ、幅が5キロであり、その中に5万人住んでいるのだ。ほぼ人間と変わらぬ大きさのオオコウモリが5000体と言う事は、その0.05パーセンチの生息密度なのだ。それが多い?そしてマコト副長も、
「はい、非常に多いと思いました。我々が今後実動する中で、この生息数の把握は非常に重要なのと、もしその群れと争う自体になれば、自衛手段も必要でしょう。そう思いましたので」
ほう・・そこまで考えていたのか・・シン達は唸った。声が漏れる。
「許可を私達もした。で?具体的のどのような捕獲方法を考えられたのか?」
「これも・・現ドーム内には100年前の超先端科学と、前時代の古い資料が混在しており、かろうじて100年前の殆どロボット・AIが人手に変わり、産業や政治、交通に至るまで様々な作業を行っていた結果、人為的に今ではそれらを制御出来るマザーコンピュータが使えません。このドーム内にあるのは、細切れのデータと、老朽化したPC等の機材を稼働させて、人為的に、それらを前時代ではアナログと言ったんですね、そう言う作業の中で動かしている有様です。なので、教育と言う部分に力を入れていた事は、この前十分に理解しました。我々はその古い時代のものも、現状況に合わせて考え出さねばなりません。使える機材と人材とです。なので、オオコウモリが非常に素早く、視力も良いので、昼間の捕獲には散々な失敗に終わりました」
「そこを、ご披露しなさいと申し上げているのだよ、マコト副長」
苦労話をせよと言っていないのだと、少しそれは性急なものに聞こえた。
「あ・・はい。ケン君考案の捕獲網を、ラン君仕様で組み合わせ、それを沢山仕掛けた訳です。網は稼働出来るように、その木にぶら下がる位置や距離を割り出し、ロープで誘導するようにしました。それを10回程思考錯誤し、とうとう捕獲に至った訳ですが、途中何度もオオコウモリに襲われそうになりました。改めてこれは我々にとって脅威であり、とんでも無い相手だと思った次第です」
「追い払った方法とは?そこに今結論を先に言って下さいと申しましたが、先の古い時代の資料とも関連性をつけた訳ですよね?」




