新章2 見えない敵
「いえいえ・・超抜な頭の柔らかさだからこそ、色んな開発が瞬時に出来るんです。これは、誰もケンシン開発室部長には敵わない部分です。じゃあ、塔を動かす何かがあっちでは稼働しているんだと言う事で、どうだろう。断線させるか、或いは爆発処理するか?どっちだ」
「おい!それは極端だろうが、コウタ研究所長はよ」
「あははは・・冗談に聞こえない位にやはり鋭いです」
笑ったのは、雰囲気に飲まれて渋い顔をしていたそのケンシン開発室部長だった。
「確かに塔も確かめずに爆破は無いでしょうが、もうやっているんでしょう?そして地下通信路の件は、その前にシン首班とリン班長が行かれているから、目星もついて居られる筈。今回は念入りに高空からと360度からの連続動画撮影で、この塔の全体像が見えて来た。もうやる事をやっている中での招集ですから、勿論観察班を無事でそこからどうやって救い出すかの手段ですよね、そして現地で深慮されている様子を、わざわざ組織全員に閲覧出来るようにやられている。だったら、早い事にこした事は無い。断線させる回路図は、ラン班長が把握されている筈。ですよね?」
「ふふ・・ふふふ・・そうっす。同じ構造物だと分かったからこそ、どうやるかは決まっていました。まずは、発生中の電磁波っすけど、コウタ研究所長が聞いたのは、例えば電源を持って行って、リュードペリ原子にさせる方法を聞いたんすよ」
「じゃあ・・その事も調べて?」
「いや・・詳しい事は勿論知りませんよ、ケンシン開発室部長がお詳しいと確認する為に質問しました。その上で、その方法を使えば、行き場所が無くてぐるぐる同じ地点で回っているような状態を解消できるのかなと思っておりましたから、やはりその事でケンシン開発室部長のご返答で自信を深めました」
「じゃあ、お聞きします。どう言う方法を考えて居られますか?」
オールマイティーな天才博士だ。流石に最初質問のあった事も知っていた。しかし、そこの部分には踏み込まなかった。
「いや・・それが分からないです。どう言う方法論で停止するかはね」
「ははあ・・成程。皆様方はこうやって議論を進めながら、とにかく今は地下通信路及び、地下坑道を探している。だが、電磁場の実際の脅威については未知数だ。勿論私もその専門家では無いから、最後まで突っ込んではお答えも出来ない。その点で今は同レベルですね」
「はい、同レベルです。それは勿論。現時点でどうしますかの議論ですよね?でも動かれている?シン首班とリン班長が既に?」
「はは・・勿論動いてますよ。そして、電磁場の影響は地下には及ばないんでしょう?その為の電磁パルスさえ耐えきった豪の建物なんだから」
ダン副首班が言うと、ケンシン開発室部長も大きく頷いた。




