新章 新世界
「そっちと恐らく関連があると思う。何にせよ、猿人とみみず、回虫?なんだ?それって答える前に、俺も説明の順序があるからさ」
「分かった・・じゃあ、キョウ班長は知っての事だが、象の腹から出て来た猿人は、姿こそ猿人であっても、人間の遺伝子そのものだ。つまり転生目的の個体が5体だ」
「やっぱり・・その詳細は俺には十分には届いていなかった。つまり、シンはそれを調べに行ったんだな?T国に。でも、他4人には一切目的を知らせては居なかった」
「そっちも、重要な探索さ・・だが、猿人は既に確保しているし、今回はみみずもこっちに送った。十分な成果さ。土壌改良の話はリンに任せとけば良い。もうやっているだろうがな」
「つまり、キョウの言うT国の恐らく和良司令官と組んでいた5人の優秀な博士達だろうな。常に和良司令官は、二方向の担保を構えていた。猿人で4年もの歳月を食物に例えたら駄目だろうが、じっくり熟成させて誕生させる。それは体組織が成長について来るのに、象が最適任だった。つまり、象もT国から持ち込まれたと見るのが正しい」
ダンの分析力は、非常に高い。シンは頷きながら、
「ああ・・全くその通りだ。そして確かに転生する前の博士とは別人格ではあるが、不老不死・再生力を持った究極の生命体だ。その全てがここ対馬海洋研究所で行い、最終的に自分の完全体となる培養を、25年もの歳月を掛けて行っていたと言う事さ」
「全部そこで繋がったな・・じゃあ、その5名を自分の手足として使う教育をシリマツ官吏体としてまずはコピー培養し、その準備もしていた?」
「キョウ・・お前も鋭いな、そうだと思っている」
シンは頷いた。
「じゃあ、猿人は原種であって、こっちの象の腹から出て来た猿人とは全く違うと言う事だな?」
「ふふ・・姿・形で惑わされる・・特に人間はそうだ。T国猿人は自己繁殖しているんだ。恐らくそれが人間が元の自然繁殖をする為の実験であり、そして高栄養価を持つ果樹こそは、そこから人類の食を変えて行く。寿命も病気も再生力も免疫力も高める究極の完全食に成り得る実験場だと見た。そしてオオコウモリにはみみずと言う媒体を運ばせ、そこで繁殖させる。そのみみずも、また果樹の実を喰う大型で、高栄養価を持つ食物として、こうして世界的に広がって行けば、擬ガジュマルの木、山切りの木、大葉は、地球の救世植物になる可能性があるし、瀬戸内海の海藻は、失われた海洋植物の再生にも役立つだろうと言われている」
「良い情報を聞いた。やっぱりシン発信情報こそが、芯にならなきゃな」
キョウは大きく頷き、




