新章 新世界
「もう電磁パルス爆裂の実行は計画されていて、彼ら5人の博士は日本では無く、新帝国建立の為に動いていた。それが若返り施術と見事に重なる。これは、言っておく、徹底的に調べた。レンジ以外の地下掘削班全員のリストだ。神野元老、黒川主査しか知らないが、リストを渡した。すると、5名の第2世代の優秀な博士が出て来た。所謂黒服の5人で、この者達と神野黒服は、バトルを繰り広げた訳だ。しかし、ある時ぱたっと居なくなる。地下にレンジが登場したのとほぼ同時に、5人の者が居た。つまり、そう言う事さ。マコト兄、つまり要人とはその5人であり、完全体を和良司令官は目指し、新人類蘇生を5名は選択した訳っすよ。今の残存医術でも、その程度であれば、人間の整形など簡単に出来る。そしてこの猿人個体もまた、不老不死、再生能力を持った個体なんです。これも一つの方法だが、それではその保持していた記憶やその知能が受け継がれなく、別人格になる可能性もあるから、和良司令官以外は選択しなかった。トップが居れば、そこから教育すれば自分にとって最良の部下になる。その方法が一番自分を裏切る事の無い選択なんすよ」
「そうだったのか・・その端緒に俺が触れたから、オープンな否定になった訳だ」
「でも、もう一度言いますが、確定じゃないですよ。ただ、その可能性は限りなく高いですけどね」
「分かった・・じゃあ、この猿人と言うのは、どう見ているんだ?シン首班は」
「じゃあ、もうオープンに戻りましょう。あんまり隠れていると、また変に誤解されるから、監視カメラの修正を伝えます」
こうしてシンは監視カメラの弱点と同時に、この探索の会話記録などは出来るだけ限られた者だけ閲覧出来るように申し入れると、既に行ったと言う事で、互いにケンシン開発室部長と笑い合うのであった。
こうして、シン達はその1週間後に対馬の研究所に戻る事になる。ダンが待っていた。
「ふ・・色々やったようだな、でも全てオープンは間違いだ。俺はそう思っていた。船頭多くして船山を登るの古語があるように、シンのやり方は皆に公平だが、その反面自由に意見を言うのは良いが、幹部以外の創作話が蔓延している」
「そうか・・早めに手を打って良かったな・・」
シンは、ダンが既に手を打っているのだと理解し、感謝の意味も込めてそう答えた。
ダンがこうも付け加えた。
「俺達が、どんな思いで、実働部隊で飛び回ってそれこそ頭がショートする位に考えて、危険なミッションも敢えて行って来たか、俺は厳しく言ったんだ。お前ら平和ボケしているんじゃねえぞってな、今ではMSI飛機に乗りたい希望者も居るんだ。そこで、それをもし希望するのなら、徴兵制度を導入し、適性を見極める。また故意に話を創り流布宣伝するような者には罰則も検討するとな」
「いきなりか?ダン、それを」
シンの眉間に皺が寄った。




