新章 新世界
「良いよ、やっぱりシン首班が言うとなると、真実味を増す・・良かったな、ここが野外でさ」
「ふふ・・焦りました。マコト兄が、ずばりの論点をついて来ていたんすから」
「え・・俺の言う事が?」
「ええ・・どうも半壊のドーム状構造物が怪しいっす。どこかで和良司令官が手を組んでなきゃ、ここまで壮大には出来ないっす・・もっと言いましょうか?」
「え・・おう」
「じゃ、内緒話しましょう。外でアイコンタクトも使うっすよ」
シンが突然目配せをすると、完全に監視カメラの死角に入った。彼はそう言うカメラの位置情報まで完全に把握していて、見逃した死角は無いかと点検していた筈だ。それが死角に入るそのタイミングとは・・
「ふ・・全く・・裏の裏の更に裏をかきやがる」
ランが小声で言うと、ショウもうんうんと頷いた。ケンが、
「一体・・何があるんだ?犬達は走らせといても構わないか?」
「ああ・・良いとも。むしろ、そっちの方が自然だ。『銀』は、どの程度跳躍したら猿人を襲えるか、さっきからそわそわしているからさ」
「え!『銀』が?猿人を襲う?」
「ふふ・・敵の戦闘力を把握するのも良しだ。尤も草食系の猿人は、攻撃性は無いと見ている。『銀』も本気で襲いはしないさ」
「驚いた・・シンは相変わらず、同時進行で色んな事が見えてやがる」
「し・・俺達が監視されている訳じゃないけどさ、でも余り聞かれて気分の良い話じゃないだろ?」
「ああ・・推論って部分だな、良し」
そこで、アイコンタクトを交えながら、シンはこう切り出した。
「和良猿人って5つ子だ・・これはマコト隊長が言ったようにT国要人・・つまり5人の博士の遺伝子の可能性があると見ている」
「え・・」「お・・」
反応は様々だが、和良司令官の完全体が完成真近だった事を思えば、それはある。しかし、T国の要人?全滅した話とは全く繋がらなかった。




