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シンカラス  作者: 白木克之
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未来とは

 シリマツが尋ねると、荒井首班は黒い眼鏡の奥から、少し厳しい眼をして、


「ご存知だと思いましたが、シリマツ官吏?」


 ん・・?シンは何かその言葉に引っかかった。どう言う事なのかと・・シリマツが言う。


「ここには飼育出来る餌が無いと言う事ですね?」

「はい、動物を飼育出来る種類は限られています。牛、山羊、鶏だけです。それ以上に例外などが御座いませんよ、限られた種だけです。理由の説明等は不要でしょう?」


 確かに・・この限られたドーム内で飼育出来るのは、自分達の食糧になると言う事だ。また飼育する為には飼料も必要だ。飼育容量があると言う事に行き着く。


「今まではそうでした。しかし、今からはそれが出来るようになる意味で申し上げました」

「それが、本日の班長会議ですか・・成程、先を既にご存知の訳だ」


 この辺の事情は、荒井首班には知らされて居なかったようだ。それに階級的に言っても、荒井副主班の方が上だと思うのだが、対等に今話をしているのだ。シン達にはその関係は分からない。


「もっともっと我々は、解剖学的、遺伝的分析も勿論必要ですが、オオコウモリの事を知る必要があります。その為に、お招きいただいたものと理解しております」

「ふ・・ふふふ・・。シリマツ官吏、貴方は、恐らくそのもっと深い理由で動かれている訳ですね。では・・皆様、お招きした標本と、このオオコウモリの特徴の比較など、色々説明を交えながら、私もこの道の専門家です。生きた標本と言うのが、いかに重要なのかの認識があります。今の話だとすれば、より深くこれから分析・研究が出来る事で、嬉しい限りで御座います」


 ここで荒井副主班は、シリマツに手を差し伸べ、握手を交わすのだった。

 すぐ、荒井福主班は決定的なホルマリン漬けのオオコウモリの標本と、この捕獲したオオコウモリの特徴を比較して披露した。

 体長は1.5Mもあった。それは大きさ的には、標本のものも殆ど変わりが無かったし、捕獲した時には、でかいなあとシン達も知っていた事だったので、驚きもしなかったが、


「このように、体長は今までの標本とほぼ同じです。しかし、翌長が全く違います。ホルマリン標本が2Mに対し、この捕獲標本は、2.5Mに達します。時速160キロに達したと言う話ですが、恐らくもっと飛翔速度があるのでは無いでしょうか。体重についても殆ど変わらない事を見れば、翌長の改良がその目的上にあったと見えますね。これから、危険なウイルス保持につき、すぐ調べましたが、殆ど発見する事は出来ませんでした。あ・・この事も、恐らく上に伝えておりますから、それで飼育許可が・・」


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