新章 新世界
「私が、この3日間のデータをまだ解析中ではありますが検証して行く中で、この旧国後島には、強い磁性があると言う事です。その磁場によって不可思議現象と呼ばれるものが起きていた。それをもしかしたらR国は利用したのかも知れません。もはや、そんな領土よりも、どの国も何時自国が脅かされるかも知れないと言う疑心暗鬼に陥っていたでしょう。そこの話も良く分かります。管理出来る軍にしても人材にしても、またそれまで重要だった水産資源も鉱物資源も、そんなもので流通出来る時代では無かったと言う事ですし、核なんてどこの国でも1週間、2週間あれば創れる時代になれば、その事で抑止力にはならない。これだけは新エネルギーの開発によって、生産する必要が無くなり、これは非常に危険この上無いが、深海底に沈め、処分したと言う話も聞きました」
「ああ・・隣国では生活ごみを海洋投棄が認められるような、とんでも無い利己主義の国があった。それが、やがて海洋汚染や水産資源の激減、人類と同様に破滅の道を辿る根本となるのだが、核廃棄物が国連で定められていても、愚かな人間や大国の多くは、それを継続して来た。数万年、数十万年影響を受ける放射能は、どのような影響を地球規模的に受けるのかさえをも検証された事は無かった。この事は何度も議論されて来たのだ」
「結果・・その議論さえもはや無用と日本はいち早く鎖国に踏み切った・・今のケンシン開発室部長の話を聞き、何となく自分でもプラズマの事が分かって来たように思います。そのMSI飛機の試乗については、リン、黙っているが何か言いたい事があったら、何の為の4人での会議だ。お前なりの考えを言って見ろよ」
シンはずっと黙っていたリンに話を振ると、リンは、
「俺も、何か音が聞こえるような、不気味な光が浮遊しているような昔の人が創作した、或いは実際に脳波に影響を与え、現実には無いものを幻覚・幻聴として捉え、霊魂の世界やオカルト話になったと言う事も何となく分かりました。俺には、そう言う何て言うんですかね、あれをすれば怖いぞ、祟りがあるぞ、バチが当たるとか言う類の話は笑い話に思っていましたが、成程ねえ・・聞いたら、その粒子・素粒子・光子・分子・原子・電子そんな話に繋がるんすね。まあ、話の趣旨は違うっすけど、こう言った理科学分野は、もっと教育し人材を発掘した方が良いなと思います。ケンシン開発室部長のように、日本が技術大国と呼ばれた高度な世界で第一国と呼ばれたのならば、むしろそっちの方の教育が、今後を考えるなら必要かと思います。これだけ日本国中で優秀な人材を集結させ、産業資料館の器具や展示物をただ眺めているだけでは勿体無いっすよ。造れない物もあると思いますが、使えるだけ使ったら良い、今まで俺達は有るものを工夫して使って来た。文明が悪いとか言っても、その結局は文明、知恵に縋るしか人間には自然界で生きる術は無い。俺達は生きている限り、体を動かしますよ。だから試乗もどんどんするし、やっぱりシンの言うようにどんどん世界の現状を見て、和良司令官の方法論はとんでも無いとしても、一端オールクリアになったんですから、どこかで生きている人間が居たら、一緒に手を取り復活の方向に舵を取るしか無いと話を聞いていて、強く思ったす」
「リン班長・・その通りだ。我々は、仲間とかそう言う限られた者達だけでやって行こうじゃなくて、相容れない要素の者とも徹底して話をするべきだ。それが自然な形でシン首班は出来る者だと言う事を我々は、今オブザーバー的な存在だが、認めているんだ。君達第14班の強固な絆はきっとこの先も役立つだろう」
その言葉にリンは嬉しくなった。やはり心の支柱は要る。そうなってくれる大きな人だと彼も思った。その場でケンシン開発室部長は言った。




