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シンカラス  作者: 白木克之
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新章 新世界

 それでもリンはまだ緊張状態だ。

 ケンシン開発室部長は、座るとすぐ言った。


「まずは、シン首班がこの旧国後島へ行かれた理由は、プラズマの事です」

「プラズマ・・生憎私もその方面の事には疎くてね、むしろ、黒川主査の方が詳しいと思うが」


 シンが、


「あ・・いえ、そう言う理科学的な話では無いと思います。ケンシン開発室部長、そうっすよね?」

「はい、私もそう言う意味でおいで頂いたんじゃなく、この地・・つまり200年前後の過去までの話になると思うので、その中で少なくとも接触のあった、またまたと思われるでしょうが、和良司令官の光ケーブルの関連についてです」

「・・?益々、私から遠くなる話になりそうだが・・」


 神野元老が困惑している。シンが呼んだ訳では無い。ケンシン開発室部長が呼んだのだが、その短い理由に少しピンと来ていて、


「自分がこの実働部隊組織の編成から活動に携わって3年になります。この前も神野元老黒川主査ともお話させていただいて、まだまだではありますが、日本の主要4島やその島を繋ぐ通信路とか、縦横無尽に恐らく地下にも色んな坑道・通路・海底トンネルも通っていたんでしょうが、それを見て来て、まだ十分じゃ全然無いけど、この国後島の灰色の靄と、時折ぴかぴかと光る場所を見た時、何か悪寒が走るような感覚を受けました。その多分資料だと思うものが、やはり地下ゴミ捨て場から偶然に見つけた中に、これは真偽は全く定かでは無いけど、和良司令官が第1ドームの研究員に派遣される前に、確か幼少の頃からその抜群の才能で、科学班に配属されていたと聞きます」

「ああ・・その事なら、10歳頃より既に天分は発揮されていて、確かに科学研究班に配属されていたと聞く。ただし、私より世代的には2世代、3世代も上の人だからね」

「その和良博士が、当時の政府に提案した幾つかの論文を悉く無視・或いは却下されたと言う一文がついておりました。また、当時R国が不可侵条約締結の見返りとして、それを無条件不返還を承服させる為、電磁パルス発生研究所を建設中と言う話もありました」

「初耳だ・・そんな事など聞いた事も無い」

「はい、そこで調べました。日本が世界に先駆けて鎖国を宣告したのは、この前後の事です。日本政府はその打診直後にただちに通信を遮断し、連絡を絶ったそうです。それは他の国にも同様で、それまでには同盟を結んでいたA国との貿易も一切絶ち、全て自国で生産する方向に切り変えていたようですね」

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