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シンカラス  作者: 白木克之
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未来とは

「一気にここまで来ましたからね。俺達も確かに色んな事を半年前から情報として伝達され、シリマツ官吏の元にやって来られました。以前とは全く違います」

「ふふ・・うっふふふ。確かに・・厳格に各部署との交流は禁じられていましたからね、恐らく生涯こうして顔を合わせる事も無かったでしょうし」

「今日は、いよいよマコト班長が、オオコウモリの捕獲を試みると言う事で動いていますが、アライ首班は、それの見学ですか?」

「そうなんです。鉄製の檻も作られ、どのような方法で、全くの今では未確認生物=UMAであるオオコウモリを捕獲するのか興味のある所です。しかし、それも今シンさん達がこのように、箱型のセメント接着の構築物をどんどんと積み上げられ、とんでもなく早く工事が進み驚くばかりです、こんな事など半年前には考えられもしなかった場面に遭遇しております」

「俺達だって、信じられないですが、それでもよくぞ、古い時代の古い工法をウテン・サテン班長が蘇らせられたものですよ」

「良きにしろ悪しきにしろ、確かに我々には教育=能力別のカリキュラム受講と言う事が行われて来ました。そのお陰で、生活する喜びや目標が、決まったコースにしろ、与えられて来た事が良かったのかも知れませんね」


 それは、功罪と言う点で行けば、教育と言う生きた教材が、ここには非常に多くあった。むしろ、そう言う教育がこの100年の中で、第三世代と言われるシン達に引き継がれて来た結果なのかも知れない。自分で思考する、生み出すと言う教育が確かにあった。でなければ、100年前にクローンやAI、ロボットに頼り切っていた先祖は、考える事すら放棄していただろう。或いは、そのAIが忖度して、ボタンを押したのかも知れないのだ。彼らには感情は全く無い。だからこそ、一からやり直そうとしたのかも知れない。これが科学先行の結果なのだとしたら、やはり、そう言う未来は見たくなかった。

 そのシンがしんみり頷く様子を見て、薫はシャープな人間だと思った。シンに問いかけるように聞くのだった。


「我々のドーム内では、少なくても、機械に使役されているような事は無かった。どうして、この閉鎖的な環境の世界で、有意義に暮らせるか、それは教育を柱として、その自分達の適性がどこにあるのかをテストすると言う事が、方針だったのでしょうね。第三世代になって、又見せたくなかった情報だが、より知りたいと言う我々世代の要求が勝って来たと言う事でしょうかね」

「ううむ・・難しい事は分かりませんが、我々もそうですが、一つのコースを極めようとすれば、どこかで頭打ちになりました。その先を知ろうとすれば、大きな壁があって、拒絶さえされるようなシャットダウンがあったのです。恐らく、この今の世界が閉鎖的で、もっと大きな外の世界があると言う事を知ったのは、1年半前の事でした。そして、非常に危険な世界だと言う事も分かり、やはり、命も落とすかも知れないから、このドーム内が安心なのだと言う流れになっておりましたね」

「そうですね、その事も、エライ班長、シリマツ官吏体制になって、がらっと変化しました」


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