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シンカラス  作者: 白木克之
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新章 新世界

「うん、黒川主査が手を加えていない事は、話をしてくれた。それに我々に対して精神論で色々指導もして貰ったが、口出しをしないと言う自主性を重んじていたらしい。発電所の時にも見えない部分で随分知恵を貸して貰って、完成した部分も多い。奥ゆかしい人なんだなって俺は改めて感謝しているよ。その人が神野黒服派とは言われていたけど、やっぱり傍に居てくれた事で俺達が自由に動けたんだなって、つくづくそう思っている」

「だよなあ・・最後の最後は、自爆って部分も、俺達は芝居じゃなかったし本気だった。それを受け止めてくれたんだもんなあ」


 2人は感慨深かげに空を見上げるのであった。丁度この場所が東京の中央制御AIがあった付近のようだ。しかし、これは大津波と富士山と言う日本を代表する山が、今は随分低くなって標高も2000Mちょっと、不格好なお椀型形状だ、大噴火で中腹から吹っ飛んだらしいし、今も桜島のような噴煙を上げている。山全体が黒い砂粒の砂丘であり、それが広大に広がり周辺も赤茶けた溶岩が、転がっていて、異様な姿として見えるだけだった。植物を復活さそうとしても、ここへ山切りの木移植は難しいのでは?と言われている。土壌の問題もあるし、もう一つの理由として山切りの木は擬ガジュマルの木と同じく南方系だ。東日本エリアでは、色々問題もあるようだ。ただ、大葉については今後も可能な場所に移植を進める方向である。


「俺達ってさ・・何も知らないで育って来て、カリキュラムの中とこうして仲間達と情報を交換するようになって、色んな事を学んできた部分が大じゃん・・と言うかそれしか無かったし、色んな情報も創作された物語とか映画とかそんなものの中で、知識って言うのは、与えられたものだけで一方的なんだよな。それが正しいのか正しくないのか、法律って言うのもAIが管理していたし、その時代には犯罪なんて起こる筈も無かった。だって全て体に生まれた時から装着されるマイクロチップで監視されている訳だからさ。全人類の行動は、各国で徹底管理されているんだから、そんな者達が現れても、即排除されただろう。言論統制はどうだか国によって方法は違うが、あった筈だし、それもAIが記録しているから、恐らくそこに思想教育が入る。俺達は、第1ドームの中での生活しか知らない訳じゃん?極く狭い範囲の中で生まれ、教育を受け、育って来た。そして、俺達は、実働班として活動出来るような訓練を受け、知識を与えられ、そこへ配置転換をされた。実際はその実働を通じて体験して、色んなデータの照合と、体現した中から整合性を照らし合わせて、あれやこれやと仲間達と擦り合わせ、判断し、またこうだったんだよって言う過去と証左を引っ張り出して来た」

「ああ、そうだな、ダン・・で?そう言う話を今日はしたいのか?久しぶりだし、とことん今日は付き合うが、クラゲを見てびっくりしたって所から、こんな流れになっちまっているんだが、そこは聞きたくないのか?」

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