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シンカラス  作者: 白木克之
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第五章その一 新天地!

 理解しているのである。言語をある程度解していると思っても間違い無い。彼らの知能は、小学生の4、5年生は十分にあると思える。とても優秀なのである。


「ほっほう・・初めて犬達とシン福首班がコミュニケーションしている現場を見た。早く俺にも相棒が欲しいな」


 レンジが言う。


「はは・・どうやら『愁』が2度目のご懐妊のようだ。レンジ、6匹生まれたら、6匹目がお前の相棒だ。それ以下なら次だな」

「そうか!『愁』が・・ふふ、楽しみになって来たな」


 レンジが満面の笑顔だ。シンは、きっとこの男なら犬とコミュニケーションが取れると思った。

 そして『銀』が引っ張って行く太鼓リールは光を放ち、意外にもここから先は殆ど破損した箇所は無かった。


「へえ・・ここまでの通路を見ていたら、かなり破損もあったと思うが、意外にも殆ど無傷だ。だけど、光ケーブルは点灯しない。*断線か・・或いは」


 *そのレンジの言葉を、ダンは聞き逃さなかった。


「レンジ・・或いはって何だよ」

「あ・・聞こえたか?」

「聞こえるわ!そんな大きな呟きがあるもんかよ」


 ダンは苦笑いしながら突っ込んだ。


「もし・・もしもの話をまたするよ?ここが和良司令官の第2海洋研究所だったらと思ってさ・・」

「レンジ・・俺達もそんな気がしてここを探索しているんだよ。それが呟き?」

「あ・・いや、なら、恐らく、和良旧光ケーブルを今引っ張ったけど、新和良式光ケーブルがここに通っているのかも」

「おいおーーい・・その和良式光ケーブルって言うのは、一端光の分子が伝達し始めたら、核分裂と同じ、次から次へと光分子が走り、半永久的に走るんじゃ無かったのかよ」

「あ・・そうだよ。でも、可視光だって誰かが言ったか?」

「え!だって、コウタ班長以下、そう言う見解だったんじゃ・・」

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