第五章その一 新天地!
「あ・・その件だけど、今シン副首班がそんな俺の話からそこまで発想を飛ばしたから、皆、眠たいのに御免・もう少し話をしても良いかな」
「レンジ・・眠気も冷めちまった。明日の探索だって、今すぐやらないでも元気な犬達が、遊びながら、どんどん光ケーブルを繋げてくれるだろう、な?『亮』」
「ワン・・キュウン・」
「はは・よしよし」
ダンが自身の相棒『亮』の頭を撫でながら、面白い話がまた聞けそうだとレンジを促した。
「不老不死の話を今シン副首班が、和良司令官の事で、祖父=自分自身では無いのかと言う推理は、コウタ班長が雑談で言っていた中での話をするけど、良いかな?」
「ああ・・勿論だ。佐賀の深海生物、四国西南部の恐らくこれはクラゲだと思うが・・それと対馬の珍妙な生物群、T国の類人猿風の生体・・白頭もそうだが、分からない生体ばっかりだ。その中では最も原種の形態を継承しているのが、第1ドーム付近の動物や、この瀬戸内海圏の海洋生物だ。何か、その辺に繋がって来る話なんだな?それは」
「待って・・俺は、全く専門家じゃない。それなら、ここに居るダン班長が最もこの中では詳しいのでは?畳みかけるように質問をされたら、俺が困るんだけどな・・」
「ははは・・御免、御免、シンはいっつもこれだから、じゃあ、聞いた事を言って、言って、レンジ」
ダンが笑い顔で言うと、少し安心したように、
「理路整然とは全く俺の専門外だから無理だよ?良いね?」
重ねて聞くレンジに、シンも苦笑しながら、
「ああ・・御免な、話に入り込むと何時もこれだ。俺の悪い癖ですぐ先走りしちまってさ」
「じゃあ、聞いた事だし、話は雑談・・良いね?リンが、捉えて来た例のT国の不明生体だけど、勿論遺伝子操作のものであり、現地球上の約7割はその遺伝子生体の繁殖で席捲されていると言う話をしていたんだ。だから、その猿って言うね、何代目かの自然繁殖個体になるんだろうけど、今調べている最中だ。確かにある程度の言語を理解するって言っていた。知能的にも相当高いなとは言う事だ、運動能力も優れているが、攻撃力は余りない。DNAを採取すると、ある程度の事は分かって来たが、擬ガジュマルの木の方が先に興味があるから、そっちを優先しているって言っていたよ」
「ああ、そうか。それはそれでコウタ班長の優先事項だからな」




