困難に迎え
「なあ・・俺達って推理ばっかりしているけどよ、実際遭遇したとして、防御が全てに完璧に出来る訳でも無いだろう?」
「勿論そうさ」
「その昔は兵隊ロボットと言うのもあったらしいな。結構開発されていたそうだ」
「でもさ、それも遠隔操作でコントロールされていたんだから、全部アウトになっちまったのさ」
「そうだな、外の世界では電気系統は駄目だもんな、何か空の上で、半永久的にパルスを発信する衛星がくるくる回っていて、それも1つや2つの話じゃ無いって言う事だ。それらは、太陽光の発電で動き、その衛星より下層にある全ての動力は、絶たれたと言う事だ」
「詳しくは、分かる筈も無いが、今の状態を見れば分かるよ」
「だな?地球上で例外は無いそうだ。全ての地点で電気系統は使えない」
「これ程不便になっちまうって事さ。でもシェルター内では使える訳だ。かろうじてだけどな。極く限られた容量だけだと言う事らしい」
「それにしても、こんな巨大なドームを良く造ったもんだよ」
「は・・それは、亀が首をすっ込めたり、貝が蓋を閉じるのと同じ事だぜ?」
「亀や貝は、確かにドーム内で飼育はされてはいるけどさ、外にはごまんと居る筈さ」
「ドームと言った方が、しっくり来るよな、こんな狭い所だったって、今更思うんだけどな」
「何度も言うし、聞く言葉だけどさ、何でこうなっちまったんだろうな、実際の所」
「結局の所、自分の事しか考えなかったって事じゃ無いのか?自分さえ良ければ、相手なんてお構いなしって事だろう」
「まあ・・言い切ってしまえばそうなんだろうけど、止める者も居なかった」
「出来なかったんじゃないのかな、反対しても抹殺されるし、もう行くしかないって所だだったんだろう」
「結局、どこが先にやったんだって話だが・・」
「それも、恐らく地球上全てに網羅されているパルス信号が、どこかが打てば、核と同じ、一斉に他の国も発射するって話だろう」
ため息をつく者も居た。分からない事ばかりなのだ、何も教わってもいないし、情報的に非常に少ないからだ。この先、何が一体あるのだろうか・・先行きに不安も感じるのであった。
「ふう・・こんな話を何度もしているよな、俺達って・・」
「ああ・・するよ。しなけりゃ、俺達の存在意義は何だって思えちまう。どうしようも無いと思うからこそ、上の者は何もしないで良いって考えになったんだろう?」
ここで、突然話を切り替える者も居る。
「それにしてもさ・・事務系に女子は居たけど、実行部隊、作業班には居ないよな」
「何だよ、急に、今そっちの話かよ」