第五章その一 新天地!
「あ・・いや、それを今求めてはいない。確認して欲しかったのは、それが至急必要なのか、或いは部分的に応急処置が必要なのかと言う部分だ」
「何とか・・通れた。時間が2日かかったのは、そう言う理由もある。少し速度をセーブして目視して来た。おい、レンジ、黙って無いでお前も何とか言えよ」
「え・・あ」
サテンが、怒ったように、レンジに言うと、ランと小声で話をしていた彼が、びくっとした。
「今、シン班長と大事な話をしているんだろうが、ランもそうだ。お前達は何時もそうなのか?小声でくちゃくちゃ話をしているのは勝手だろうが、俺達の話を聞いていたのか?」
ランが詫びた。
「済まん!サテン・ウテン班長が忙しい中を、ここまでチェックしながら来てくれた事は、今レンジ班長から聞いていた。俺が悪かったんだ」
「そうか、許せ、サテン。俺からも謝る」
「あ・・シン副首班にまでそんな頭を下げられたら、俺が余計な事を言っちまったかと反省を逆にするわ・・」
「いや・・一番悪いのは俺だ。御免・・今ランと話をしていた中に、今から俺も得た情報を整理していて、*このチューブ型通信路の仕組みの事をまず説明しなきゃと思ってさ」
シンが、
「*ああ・・その事も是非聞きたかった部分だ。確かに、がちがちの強度を持っていたら、地震や地殻変動でぐしゃっとなるよな、その辺の事を一番素材を扱って来た現場の者の声を聞きたくてさ。今は、勿論サテン・ウテン班長の指揮下で保善・修理や、様々な事が行われているし、俺達も光ケーブルを断線部分から延長するか、或いは単独で仮設置するかの選択があるかと思う。その前に、何より安全係数を見ておかなきゃ、動くに動けないからさ」
*自分からレンジが言おうと思っていた事だった、そこの点を非常にシンが意味を持っていて、先に言われたので一瞬間が開いた。しかし、それは全く不自然な間では無かったのだが・・
「ああ・・成程。で?具体的にはどの部分から聞きたいの?」
「通信路のそもそもの壁構造だ。単に穴を掘った、壁で補強したのだったら、それこそ圧が掛かったら、ぐしゃっとなっちまうだろ?今では、大地震が発生した事や、大津波が襲って来た事が、ほぼ現実になって来ていて、電磁パルス爆裂の事はずっと言われて来ているが、完全に地球上の生命体が絶滅したかのように、それも予測されていたが、実際俺達は生きている訳だし、奇妙な生命体も居て、海洋生物も一部の場所に居る。T国の不明生体だって今研究中だ。そう言う例外や奇跡が起きている訳だからさ」




