困難に迎え
武器とは火薬と一緒に使えば、プラスチック爆弾も出来ると言う事になる。ゴムと混ぜれば、プラスチック爆弾となる。それは、今あるゴムを利用するつもりだったが、既にカンジがゴム製造を提案している。二人の提案が合致したのである。これにはシリマツも驚きながら、絶賛している。
ケンは、糸製造を提案していた。より強力な糸を、専門外だが木及び石灰岩から出来ないかと言うもので、資源が豊富にあるのだから活用すれば、動物を捕獲したり、トラップにも利用できる。そして、それは通路も必要だが、網によって、まずは通路確保をする方が、手っとり早いのでは無いかと、彼らしいせっかちだが、非常に有効な手段を提案していた。確かにロープ等の材料は用途も無く、組織の資材倉庫にあると言う。それはケンが、倉庫管理の転属を経験していたからだ。これも大いに称賛された。どれも一級の提案だった。この時代に、旧時代に使用したそのような知識が出る事こそ、驚異的なアイデアなのだ。どんなに100年前の知識を総動員しても、そんな遥か昔に使用されていた物資のアイデアが湧く筈が無いものなのだから。
そして、最後にマコトの提案があった。
今のやはり武具では心もとないので、飛び道具を提案していた。それがやはり原始的な吹き矢であった。その昔のスポーツ遊具をマコトは研究していて、武道も全般でその造詣も深いが、スポーツ弓矢の応用を提案していた。これは、やはり普通の吹き矢では無かった。一時的に動けなくする、それこそカイとダブっているが、大葉の事を知っていて、その毒を塗り込めたものだった。知識としてどこまでマコトが知っていたかは別にして、そう言う毒性の事を研究していたやはり、スキルがあったのである。
「諸君は、既に体力技能的な事は勿論今までの自分のスキルを十分に生かせている。やろう!それに、諸君の提案による開発などは、そう時間も要しないだろう。既に工場が動いている事も申し上げる」
「早っ!」
シン達が声をあげた。こんなに急速に、進展があるとは思っても見なかった。サテン、ウテンのセメント応用による建築資材提案は、もう早速製造されていると言う。そして、それを運ぶ運搬車も、バイオアルコール製の燃料で動けるように数台が既に製造されていると言う。これにより、一気に実動班の出番が早まる。今度こそ、具体的に行動が出来る訳である。そして、出来るだけオオコウモリに接触しないで済む方法だ。こんな危ない敵に遭遇しないように、まずは、旧政府が何をこのシェルター周囲に設置したのか、意味がきっとある。それから、どうするかは、また決めれば良い・・その簡素だが、しっかりとした計画が始動する事になった。再出発までの間、ケンの提案した網が一番早く出来上がった。シンの大木MAPは、丁度その大木間を中間に抜けるもので、通路が網により仮設置される事になった。作業班に3名の実動部隊が、防衛の意味で、これもさっそく作られたカーバイドによる爆発音の「雀脅し(スズメ脅し)」と旧時代に言われたものだ。そんな簡単な原理のものなら、あっと言う間に製作する事は可能だった。そして超音波発生装置も稼働して、順調に今度は通路が何事も無く、急ピッチで進む事が出来るのだった。そこへ確保した通路へ大理石ブロックを積めば、今までより遥かに早く工事が出来るのだ。こうして、実動班が実際に動ける1ヶ月間で、何と1キロ以上も通路が延長されたのである。勿論、何の事故も無かった。この工法なら、相当な通路形成も今度可能であると言う事で組織も湧き立つのであった。地下坑道より、遥かに効率的で、また地上の延長上に通路があるから、動きやすいと言う最大の利点がある。




