第五章その一 新天地!
「ま、そう言う事だ。天然ガラスも何か使えるそうだし、地球内部にはSiやMg、Al等が殆ど無尽蔵で眠っているからな、その成分を抽出する技術も現在に残っている。案外アナログだって思われている部分も、結構残っているんだよな」
「確立されている技術は、流石に日本独自の継承と言うか、遺していたんだよな。どうしても人為的と言う部分が残るからこそ、第1ドームの研究施設の意義があったと言う事だろう」
ダンが言うと、全員が頷いた。ケン、リン、ショウ達はさっそく南九州の通信路について、レンジ班長の所に聞きに行っている。行動は本当に彼らは早い、そして、既に彼らもシンの意図を持ち行動を開始しているのだ。
「ああ・・で?コウタ班長、もう高分子砲とか、量子発電所の件なら良いよ、他に何か言う事があったのかい?」
シンが問う。
「その話じゃないけど、白頭の群れのその後の追跡はしているのか?」
「勿論・・だけど、もう日本には居ないね。K国までは行った。何もない荒涼とした砂漠地帯だった。川も流れては居ない、四国と同じような光景だったね。でも、そう遠方までは足を運んでいないがな」
「それは、俺がやっと瀬戸内海の魚介類や、対馬の一角だけに生えるガジュマルもどきの木と海洋生物に着手出来そうな事と同じで、内部のかなり異動もあったし、やる事が多かったからなあ・・」
「ふ・・お互い様だよ。だが、かなり変革もあったし、オオコウモリの脅威が相当去った中で、俺達は又穴倉生活だ、ははは」
「はははは・・こんな通信路があるのなら、もっと早く言えってんだよな」
ランも笑った。
「だけど、実働経験が実に色んな事に役立った。無駄だとは思っちゃいないし、外敵は猪や野犬も居る。猿もそうだ。ただ、俺達には相棒が居るから、とても心強いがな」
「そうだね、もう『戒』と『愁』の第2腹の子が生まれそうだって聞いたけど。俺に貰えるのかな」
「ああ・・エライ首班、シリマツ事務総長、マコト兄、ケンシン班長、キョウ班長、コウタ班長には予約済みだ」
「5匹の子犬が産まれる保証は?」
「無いよ・・今言った順番だ」




