第五章その一 新天地!
また誰かが言った。ここで、
「ケン・・お前は何が見たいんだ?何かこだわっている事があるなら、これだけ皆が揃う機会は今からは殆ど無くなる。他の皆も手が挙がっていないんだから、聞いとけよ」
シンが言うと、ケンは、
「その前に、高分子砲の事は聞いたけど、前にさ、人工衛星が3機地下にあるって言っていたじゃないか、どうなった?」
「その事か・・ああ、そう言われていたな、確かに」
「それは本当にか?撃ち落とす高分子砲なら、宇宙開発からも日本は撤退していた。人工衛星など打ち上げる必要は無かったんじゃ無いのかって思ってさ」
「じゃあ、言う。人工衛星じゃ無かった。そしてそれこそ、高分子砲を撃うつべき円盤状形状をした3つの装置だ。だが、今はそれを検証する時間も人居ない。想像の話になるが、それがくるくると回り、塔内部に圧力を高め、それが高分子の発生を促し、それを強化するのでは無いかと思っている。前に間欠泉動力の事も言っていたが、確かにその仕組みでも、瞬間的には強い圧力は得られる。だが、その仕組みでは無さそうなんだよ、隠していた訳では無かったけど、何の装置かやはり最近まで不明だったし、今も良く分からない。だけど、質問が飛ぶよな、ケン副班長はさ・・」
コウタ班長には、ケンが何に疑問を持っているのか、まだ見えなかった。
「最近まで不明って、少しは分かったのかい?じゃ」
「いや、分からないんだよ」
「何だよ、それ・・最近まで不明だったと言うから、今は少しは分かったと言う理解になるんじゃないのかい」
シンが苦笑い。確かにそう突っ込むわなと思った。しかし、コウタ班長がシンにアイコンタクト・・シンは、もう個々にこう言うアイコンタクト方法をとっている。
「ケン・・だから、話の主題からずれているんだから、そこは話を戻せ。今必要かどうかの話だ。分かっても、分からなくても今はそこじゃ無い」
ケンはすぐ、
「あ・・じゃあ、話題を戻す。それこそ、今言う通信路の事さ。その地熱を利用した電力がその装置に繋がるのなら、そこから引っ張れるのにと思ったまでさ。有線のケーブルがあるんなら、変電設備もあるだろうし、もしあるのなら、現在でも地熱発電所は稼働可能だろう?通信路が。その地熱発生源の近くまで伸びていたら、これから今の電力需要にも使用出来そうだなと思ってさ。他に大きな設備も必要無いし、出来なくはないと思ってさ」




