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シンカラス  作者: 白木克之
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第五章その一 新天地!

「量子発電所の事はここまでです。また今後これを稼働させる事も無いでしょう。何故ならこれこそ、不明のままになっていた高分子砲なる対象に繋がるからです」

「え!」


 それには一同がかっと眼を開いた。


「私も何がどうなっているものか、さっぱり糸口も開けず、この疑問を解く時間も無かったのですが、簡潔に言うと光ケーブルの光振動発光と、この高分子砲は同じ構造だからです。勿論、使用するエネルギーは桁違いです。それを棟地下で発生させ、螺旋の溝で増幅し、増幅させます。つまり、遠心分離器を想像して見て下さい。そこで回転威力を高めるのです。これは、衛星駆除の目的で開発されたものだと言う事が判明しました。現時点での地球上を周回する衛星の存在は確かめられませんが、もはやあったとしても電子信号が使えない以上、無用の長物でしょう。心配されるのが核搭載の衛星ですが、これは排除されたと、はっきり記述が御座いました。世界連邦が事実上崩壊した時代にも、やはり各国を脅かす核は抑止力にはなっても、実際電磁パルス爆裂連鎖と同じで、破滅を招きます。そして、世界的潮流として、もはや核燃料は必要としない代替えエネルギーが開発されておりました。地球はもう危機に瀕していた・・環境汚染、温暖化、海洋汚染も全てです。人類の未来も、もはや絶望の危機にありました。自力で繁殖すべき生殖力も殆ど失われていたからです。それはやはり人間が冒頭に申し上げたように、自ら愚かな競争の末に、引くに引けない境遇に陥っていたと言う事です。何度もこの事は申し上げて来ましたが、そういう事です。つまりは偵察衛星をターゲットに開発されたと言う事です」

「そうか・・そうだったんだ、やっぱり」


 シンが深く頷いた。コウタ班長は更に、


「さて・・この事こそが、先ほど皆さんが聞きたかった、無線光通信網、光ケーブルの存在です。偵察衛星は、もはや消えました。仮にあったとしても115年間、日本に干渉して来た形跡もありません。ここで、無いと考えるのが妥当でしょう。そして、世界的に電子信号は微塵も感じません。悉く破壊されたとこれも見るべきでしょう。仮にその光ケーブルを開発した国があったとしても、やはり干渉は無いと思えます。我が国の光ケーブルは、それこそ探知機能が内包がされていた事を知ったのは、このゴミ屑からの情報です。徹底的にこれはこの発表まで検証しました。間違い無いと言えるまでになりました」

「*探知機能・・・」


 *どこからか呟いた。その言葉はレンジ班長だった事は、リンのその耳が確認している。すぐリンは、シンにアイコントを送り、そのレンジの表情を見ている。やはり癖なのか、頬がぴくぴくしている

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