表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
70/1722

困難に迎え

「通路の補修と保全は、あっと言う間に完了しました。我々が通路上で行動すると言う事は、この工事によってシェルターを出ると言う、大きな100年後の進展だと言えましょう」


 それはそうだろう、たった3キロと言えども、そんなに簡単な工事では無かったのである。組織内には確かに地下通路が無数に通っているらしいが、殆どは今まで決められた通路しか通れなかったし、それぞれにものものしい守衛門があって、他の部門には行く事が出来なかった。それは、今も部署の組織的披露があっても、容易に行き来する事は出来ない。又、その必要も無いから行こうとも今の所シン達も思わないが・・。


「そこで、諸君から思わぬ提案があった一つとして、オオコウモリの糞は、確かに感染症を起こす危険性も高く、又尿はあっと言う間に大理石の壁を浸食した。なので、補強をしたが、これは飛びながらでも尿をする事もあるので、大地は汚染されていると言う想定の上で、通路構築の手段が取られた」


 そうか・・第一番はそこなのか・・シンは思った。


「第ニ番の手段として、少し前にお伝えしたが、このシェルターより10キロ圏内に日本の施設2つが隣接されていると言う事だよ。ここへ到達すると言うのが大きな目的でもある」


 それも聞いた通りだ。そして、どう攻略するかの続きが無かった。


「具体的な方策の話はしていなかった。しかし、これは?と思う方策が無かったのも事実なのだ。だが、先日の皆様のレポートの中で、まずは、蝙蝠の糞に含まれる、リン、カリウム等を野菜の肥料として取り出せる方法は、リン君が具体的に示してくれた。これは、野菜工場を稼働させているシェルターに、無農薬栽培の野菜を供給出来る大きなものになると思う」

「おお・・リンには、そんな知識が?」

「ふ・・もともと体力の方で専攻されたけど、化学分野も得意だったからさ」


 照れくさそうにリンが言う。誰もこんな発想をした事も無かったし、まして、生物兵器の排泄物を利用しようなどと誰が考えつくだろうか。まして、寄生虫や、細菌の危惧もあるのに。でも、それは、具体的に滅菌や寄生虫排除を今ある資源で可能にし、有機肥料として活用出来るように提案されていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ