第一章 進の日常
「その仕掛けって誰が言い出したんだ?」
「さて・・少なくても俺は言わない」
「あら、卑怯よ、そこは、率先してやったじゃないの、貴方は」
「率先てさ・・そう言う君だって強烈にシカトしていたじゃん」
「よせよ、論点がずれている。でも、確かに、そうせよと言われたんだよな、誰かに」
「俺達じゃなく、上から?」
「そんな事まで指示するかな・・上が」
「でも、実際にシンは殆ど喋ん無いし、そう対応されても仕方が無いような雰囲気だったし」
「まあ・・ねえ」
それで休憩時間は終了した。実際に、シン自身がそう言う雰囲気を醸し出していたのだ。無口でとっつきにくい・・まして、この部署と言うのは入室試験の時から不動であり、部署異動する事は殆ど無い。そして、他の部署と関わる事の無い特殊な機構であった。彼らも上から指示される事を、自分のスキルでこなす毎日だが、すこぶる高給であり、待遇も悪くは無かった。言えるのは組織の優良セクトだと言う事だ。彼らは実際自分達のセクトが何を生産しているのか、或いはどんな組織なのかは知らなかった。知らないのに入室試験を受けたのか?と聞かれれば、それは、この時代の学業形態が、エリア別で決められていて、試験入室をする事は全く無かった。ストレートに大学まで進み、その中で優秀な者は無料で大学院、博士課程に進める事が出来る。つまり、このシンの同僚達は相当優秀な者達で、大学院を飛び級制により18歳で終了していた。そして、2年間で全員博士課程を修了し、この組織の適正試験を受けたのである。




