表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
682/1722

第四章その四 地下通信路

「うお!お前な、ダン。隠密そのままにほぼ無音で来やがったな」


 ランが驚き飛び起きた。シンは気配で知っていたようだ。マコト副長は疲れていたのか、すぐには起きなかった。この点は、肝が太い部分のある人だった。


「はは・・ぐっすり寝ているな・・」


 小声でダンが言うと、少し3人は離れて小声で話す。


「今日一日、とにかく眼を皿にして、一生懸命望遠鏡で眺めていたんだ。だが、3本健在なルートでは結局4つの塒しか確認出来なかった。この2日はこんな状況さ、それでも何度も接近して、目印をつけるって言っていたのをなだめるのを往生したぜ」


 シンが言うと、ダンは、


「もう・・予定は変更だな・・福江島は今は無理だ。主要道が崩落している」

「ああ・・その可能性はどの通信路にもあった。最初の壱峻島での小島までが本当に順調だったし、道も割と良かったからな」

「ふ・・良かった?通れはしたものの、それが良かったとは言えないだろうが?」

「点検して来てくれたんだな、ここまで」

「ああ・・修復箇所は20~30か所はあった。ここを通信路としてそのまま使用するのは不可だぜ?ショウが、自分の本来の目的を一刻も早く、報告するって思い込んだ事で、シン、本当はショウに褐を入れたかったんだよな?でも、一生懸命に走って来たあいつにきつい事は言えなかった」


 そうだったのか・・・マコト副長はシンの本当の気持ちを理解した。しばらく眠ったままで居ようと思った。


「まあ・・少しはそれもあるさ。ダン・・お前のように、この通信路の重要性を一番に理解してくれていたら、勿論ランや俺達もある程度の破損個所を確認はして来たが、更にそれを細分化し見てくれるだろうなとは思っていた。もうデータはショウに送ったのなら、ショウも本当の自分の役割とは何ぞや?と言う事を理解している筈だ。けど、バラリンの発生は確かにこれも大きな前進だ。それも今回の僥倖になれば良いよな」

「ああ・・そうだな。でも性急過ぎるのはご法度だ。だって、生体武器のオオコウモリの本来の調査・把握は棚上げになったままだったもんな」

「その通りだ。1つや2つを知った所で、それは全てを理解した事にはならない。また理解したからと言って、相手は体力・知力・行動力を持ち、奴らは大多数なんだ。簡単に人間になんて服従するもんかよ。白頭の群れだけでも2万頭は確実に居る。全部これを仕留める事も無理だろ?そんな事を考えちゃいけないんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ