第四章その四 地下通信路
「だから、預かって行くさ。けど、幾ら電動自転車をケンシンさんが開発してくれて、非常に行動も楽になったようだけど、ショウのように無茶苦茶をやりやがる者も居る、また五島列島って、250キロは確実にあるだろうし、通信路だって、今回は、ほぼ北ルートは何本か健在だと言う事だし、レンジMAPでも相当残っているようだが、それだけでは安全だと言えない。どこかで重大な支障があったり、光ケーブルが残っていても通れないような部分もあるだろう。良く、そんな検証すら、たった3日、4日しか未だ経ていないのに良く行けと言うよなあ、俺が隠密部隊だったから引き受けるけどさ。相当シンに無理強いしている事も分かってやれよ。生身の人間なんだ。四国及び瀬戸内海探索も途中だったし、戻ってすぐこれなんだぜ?なら、*通信路探索班をエライリーダーに組織して貰い、どこからでも同時検証する助言も、コウタ班長の立場なら出来るだろう?俺はそう思うぜ?それにウテン・サテンが最も適任なのに、ずっと中で修復作業ばっかりさせやがって、人材は他にも居るだろうがよ。そこも言っておいてくれ。俺は、それを暗に言いたかったかと、シンのメッセージでピンと来た」
「そうか・・そうだよな。ダン・・有難う。俺が動く」
*これはすぐ組織され、何故かエライリーダーはシリマツ官吏に一切相談をしなかった。シンとエライリーダー、コウタ班長とシン、ダンとシンの暗黙の合図がある。今回ダンは、シンの意向を何か受けて助言したと思われる。それがその暗号伝達である。何かは全くこの時点では誰も分からない
こうして、ダンも出発した。シンは、ダンが動く事は分かっていたし、今ダンがコウタ班長に言ったような内容を、どこかでクッションになって伝えてくれるだろう事にも期待していた。実際、ダンは思慮深く、その通り以上に今回は動いてくれたようだ。すぐ*ウテン・サテンは通信路班をレンジを主軸とし、そのトップに指名されるのである。
ダンは5時間後、ショウが食料を置いて行った仮の保管庫に到着。ゆっくり通信路を点検して来たのだ。数10か所にチェックも入れて来た。それはただちにサテン・ウテンにも有線LANで伝わって行く。そのウテン・サテンは、
*この動きも非常に急だ。意図が勿論そこにある。シンの考えだった
「レンジ、この掘削班の坑道と、通信路の壁素材は同じか?」
まず素材の事をウテンが聞く。
「用途によって、基本はマグネシウム合金ですが、他金属の混入率が違います。通信路は超高速で物を運ぶ為のものなので、ゴムチューブのように非常に柔らかい素材で出来ているんです。ただし、地面は、硬く頑丈な素材です」
「それは、分かるんだな?資料としては?」
「俺達は、ずっと地下坑道の掘削班で、その壁は資源の確保後、液体合金で壁に吹きかけて来ました。資料は無いから、作ると言うのは無理っすけど、そっちの原料や素材ならありますよ」




