第四章その四 地下通信路
「こう言う扉で侵入をさせなかったんだな、一切他の動物や、人間を・・」
「今からは、未知の世界だ。いきなりオオコウモリがぶら下がっているかも知れないから慎重に行こう」
「おう・・」
扉は、割と簡単に開いた。AI管理時代でも緊急の場合の手動開閉と言うものがあって、それが機能したようだ。
「ふ・・115年も経ているのに朽ちてもいないんだな。少なくてもその間にこの通路を通ったと言う事も聞かないしな」
「移動する手段も無かったんだろう。また、そこまで冒険するような考えも起きないよな、内へ内への守護へ向かっていただろうから」
「その中で、何故実働班と称して、黒服達が野外活動を?」
「第1世代の命令とは言え、黒服達は主力メンバーだったんだからなあ・・」
「ストップ・・すぐ話を元に戻そうとする。今それが関係あるのか?」
シンが怒った。マコト副長にも同じくだ。
「済まん・・関係無かった」
「緊張は怠るなよ、今からは何があるか予想も出来ない。ラン、自動銃はそのスキバームを発射する為にある。めたらやったに撃つんじゃねえぞ、俺が指示する」
「分かった」
「マコト兄、今からは俺の指揮下です。指図があるまで吹き矢は吹かないで」
「分かった」
シンの緊張が見てとれた。それは自分達も同じである。五感を研ぎ澄ませ、これぞ実践の実働部隊そのもののミッションなのだ。壱峻島は相当広い。
「島は、20余りのまた小島もあって、海岸線も複雑だ。特に対馬側の海岸はリアス式海岸だから、全部歩いて回る事は出来ない。この中に5000頭だったら、あちこちに分散していいるだろうから、相当困難な作業だ。とりあえず、野外キャンプが出来そうな場所を探す」
「分かった」
彼らはそれしか答えようが無い。出口は、丁度島の中心部に位置しているようで、そこから主要な小島への通信路もあるようだ。ランは、むしろこう提案した。




