表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
636/1722

第四章その三 勢力争い

「ケンシンさん、どう思いますか?このランの発案」

「試して見ましょう。しかし、恐ろしい程の推理力の発案ですね。誰もこんな事を思いもしなかった。リンさん、手伝って貰えますか?」

「え・・俺?」


 リンがきょとんとする。


「ええ・・今から周波数をいじってどうこうするよりも、ドーム内には馴致しようと言うオオコウモリの子達と、野生のオオコウモリの捕獲個体がおります。以前開発した超音波発生の笛と、四国へ移植計画中の山切りの木の苗でテストしたいと思います」


 何をやろうとするのかリンにはさっぱり分からなかった。しかし、オオコウモリに関してはリンを除いて他に適任者は居ない。勿論、すぐ一緒にケンシンと第1ドームに。そこへショウも手を挙げた。


「俺も良いっすか?」

「ええ・・勿論です。ケンさんは?」

「俺はシン達を出迎えに海底トンネル付近まで行き、待つ事にする。犬達も総動員してね」

「分かりました」


 ケンには他に何か目的があるようだった。

 こうして、素早い動きがあった。オオコウモリ同士の戦闘は熾烈を極め、これはにわかに収まりそうになかった。動物達は恐れを成して、巣穴に引きこもる。猿などは顕著にどこか一か所へ移動して行った。猿の生息数は多くない。限られた森林内でしか生きられない彼らには、子孫を増やすべくエリアが少ないからだ。少しでも離れるとオオコウモリの餌となるだろう。それに反して、象達は相変わらず何の変化も無かった。夥しいオオコウモリの死体が累々と積み重なり、その死体を猪、野犬などがターゲットとなる食料が乏しくなっている現状下で、食として得ようとしている。彼らも意外にオオコウモリが美味しいと感じたのかどうか、かなりのその死体も、お陰で腐臭を放つ前に処理されているようだ。そして3日後、シン達が出迎えたケンと合流する。


「よ!」

「おう!」


 言葉は短い。これで主要メンバーが戻って来たのだ。すぐエライリーダーとシリマツ官吏が出迎えた。休む間も無く幹部会議が始まった。それはそうなるのを承知でケンは、回復剤をシン達に与えるべく、出迎えに行っていたのだ。その点で言えば、非常にケンはせっかち部分はあっても気配りときめ細かい段取りが出来る男なのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ