第四章その三 勢力争い
「・・・地下水にはその細菌やウイルスが残存しているかも知れないと言う事か?」
「鋭いな、ダン・・そうだ。そう言った存在は、実は生を維持するために実は必要なものでもある。ただし、逆に脅威となる事もあるがな」
「だから、生物分析班や、生体科学班等がかなりのウェートを占めてドーム内で研究している?」
「その通りだ。もともと、そう言う目的の研究施設でもあるからな」
「成程・・じゃあ、他に目的は?相当な労力と燃料も必要だ。そこまで傾注する必要性もあると言う話で、今の説明だけでは大きくそれが不足している」
「ダン・・君も専門分野のメンバーだ。何を主に研究していた?」
コウタ班長が逆質問した。
「俺は細菌とか微生物の事とか・・とにかくマイクロ生物が主だったな」
「うん・・それがそのままのテーマだ。無駄に見えるその活動は、実は第一ドームを維持するべく必要なものであった。と言う事を、我々も含めて確かに追及する必要もあっただろう。しかし、そこまで考える余裕も全く無かったよ、ランはそこに目をつけた?」
コウタ班長はランに話を戻した。
「ああ・・そう言う事だ。今知らなくても良い話はごまんとある。*地下掘削で働いている人員の事も、今は追及しなくてもいずれ分かる時も来るだろう。と、言うのがシン班長だ、とにかく今現時点でやれる事をやると言う主体で動いて来たからな、でも俺は、その疑問がどんどん自分の中で膨れて行ったんだよ」
「だから・・?ラン、前振りが長えよ、お前は」
*重要なポイントに繋がる
シンが強めに言った。シンにとって言わば、そんな考えの構築や講釈は要らない。ずばりと、何がどうなり、どうなんだろうと言う論点だけなのだ。
「シン・・お前の考えは良く分かっている。それに対する否定も肯定も、その後で出来ると言う考えだ。だが、考えには順序があると言うのが俺のスタイル。じゃあ、話をすっ飛ばす事になるが、その光ケーブルの用途は一つじゃ勿論ない、通信やコマンド伝達、或いは傍受、防御もかねてその塔には、何等かの発信をする役目があるんだろうなと思った」
「その役目とは?」
「山切りの木が紫外線を遮り、破滅した地上の生物を生かすもの、また復活させるべきもの、そして人類を守護するもの、また生体武器のオオコウモリが牙を剥けば、それから身を守る為の役目、或いは忌避させるものならば、言ったように薬=毒の作用。超音波が奴らの伝達手段ならば、その超音波を遮断すればコミュニケーションは失われる。制御出来ないようにすれば、それこそ敵では無くなると思った」
「待て・・そんな役目が、塔や偽山切りの木にあると言う根拠など何も無いぞ?ラン」
コウタ班長がそこで反論。




