困難に迎え
「確かに滑稽だよね、その環境破壊の際たるものを時の国家は行った。もはや誰もが暴走を止める事は出来なかった。それが国家暴走・抑止力の名を借りた支配階級の仕組みだったのだ」
「成程・・そこまで行っても愚かだと知りつつも、誰も手を下ろす事が出来なったと言うのですね」
「うん、その通りだよ。さて、それでは何故このような危険な実動行動を計画したかは、その一部の上層部の幹部が秘匿し、知り得ていた情報である、尤もこのシェルターと言うか、それぞれのシェルターには目的上の事があって、ここは、無尽蔵に近い石灰岩の地層だと言う事もそうだが、立地条件もあったと言う事にある。更にシェルターには、それぞれ隣接する施設があるそうなのだ」
「すると・・」
勘の良いシンがぴんと来た。
「そう感づかれたね。ここより10キロ離れた所に、2か所の施設があるそうだ。そこへ到達すべき探索だった訳だ」
「何が・・あるのでしょうか?」
「それは、実際に到達せねば分からない。その資料は完全に消されていた。恐らく、国家機密に関わる事では無かったかと推察するのだが」
「分かりました。とにかく、そこへ到達すれば、或いは、このシェルターにとって有意義で役立つ何かがあると言う事ですね?」
「そうだ。それにより、我々が新たな一歩を踏み出せる道筋がつくと思うのだ。そこまでの考えに関しては、秘匿されていたとは言え、上部の保守勢力も一致していた。ただし、この設備で、非常に制限された装備や武器で、最も強力な生体武器に対して向かわねばならなかった理由なんだ。一つの光明としては、森林火災が偶然にしろ起こった。その森林火災により、ある方向に道が開けた訳だ」
「ああ・それがこの通路ですか」
「そうだ。だが、尤もそれこそ危険な道であるのかも知れない。生体武器にとって、我々と言うターゲットも視界に入る訳だ。だが、言ったようにオオコウモリの視力はとても良く、改良の結果昼夜を問わず、飛翔が出来る」
「なら、我々は昨日襲われなかったのは、超音波発生装置のお陰ですか?」
「それは確かに有効だったね、明らかに効力を発揮した。だが、我々の身を守る為だけのものでしかない。諸君にここで問う。我々は確かにオオコウモリの生体武器が、今の日本全土を恐らく席巻しているだろうと言った。だが、オオコウモリより飛翔速度のある鳥類は他にもたくさんいる。その他国の生体武器が空路を辿り、日本に飛来していないと言う保証がどこにあるだろうか?」




