第四章そのニ 繫がる世界
ランが頷くと、
「そうだ。それは確かに記録でも残っている。しかし、その詳細地図は出て来ない。ここも敢えて推理するならば、容易に導き出せる答えだと思うんだが・・」
「言えよ、コウタ班長。まあ・・俺達もある程度の想像はつくが」
「情報合戦なんだな・・つまり、世界中のどこかでネットワークの電波は傍受されている。その昔大国のA国、T国のその情報戦争と言うのがあったらしいが、通常のネットワークを介する限り、共通なCP言語内においては漏れてしまうと言う事だ」
「だからこそ、その回路を遮断するような地上波に出ない、地下通信網があったと言うんだな?」
「その通り、旧式のケーブルにしても、和良司令官の特殊光ケーブルにしても、そう言う技術が発展して行ったと言う事になったのは、もう殆ど事実に近い」
「各国独自ネットワーク通信網か・・」
ランが頷いた。ふ・・と少し含み笑いをするようにコウタ班長が、話をそこで切り、論点を戻した。
「ああ・・その中で、今調べているが何故瀬戸内海にこのような生態系が維持されているかと言う事と、オオコウモリの忌避剤と言う作用的なものの関連も調べている最中になる」
ランが一番食いついている部分である。ランが中心になって聞く。
「うん・・で?」
「俺達の居る九州第1ドームが研究施設なら、全国に八か所あった施設にはそれぞれの目的があり、機能的に役目は別だ。そして今言ったように地下にそう言うものを移したのは空から監視をされない為でもあるからな」
そこで黙っていたダンが、コウタ班長の真意を聞こうと質問をする。
「言っている事は、ここまでの情報の中である程度把握できているけどさ、つまり何が言いたいんだ?コウタ班長は」
ダンが聞く。




