第四章そのニ 繫がる世界
「おいおい、昨日の今日だぜ?それは幾らなんでも・・ははは」
わははは・・既に今まで色んな議論を戦わせて来た4人だ。気心はとうに知れていた。この日は、特に大きな話題もなく、シン達の探索にしても無駄では無く、山には全く雨が降らない訳では無いので、地下に無数の河川が流れているのでは無いかと言う話になった。そこで結構馴致オオコウモリが、野生オオコウモリ達の中から中心にシフトしようとしていた。既にかなりの影響力を持ち始めていて、人間たちが自分達の食料として襲わなければ反撃して来ない事も、既存の群れのリーダー達が理解を始めたようだ。相当その攻撃の頻度は下がった。シン達は、こうなるべくその頭脳が良いと言う事を逆手にとって、早々とこの馴致を行って来たのだ。全ては今の所順調に?と言えば御幣があるが、何かをせねばならないと言う使命感に突き動かされて、シン達の実働は続く。それは、やはりT国へ行くべき必然の為と、まずこの日本の大きな主要4島の探索が必須と言う事だ。四国を恐らく拠点に、ここが何故オオコウモリの餌場にならないのか、四国に野生オオコウモリ達が殆ど飛来しないかの謎も、同時に解明して行く必要があるとコウタ班長は言った。勿論シン達も同感だった。
「オオコウモリが、この奇跡的に存在するふんだんに居る魚や魚介類を食料としてターゲットにしないのは、山切りの木、大葉と同じで恐らく忌避成分が体内にあるのでは無いか?そして、四国の現状を見ても僅かのコケ類に似た雑草が存在するものの木は生えていない。つまり、この大地が大葉の生育に適するのかどうかの実験もすぐ行いたい」
「それは、オオコウモリに任せよう」
ランが即座にコウタ班長の言葉に答えた。一緒にこの数日行動していく中で、既にランが出した答えだった。
「オオコウモリに?」
コウタ班長がランの顔を少し驚いたように見つめながら、にやりとした。
「ふ・・一緒に雑談をしながら既にそんな事を思っていたか、確かに空から前にオオコウモリの石爆弾攻撃をシリマツ官吏が唱え、現実的にそのような攻撃が有り得ると思ったが、何故か今までの所それは無かった。大体・・考えて見れば大岩以外、そのオオコウモリが元上げられる石そのものが無かったんだよなあ・・南九州の火山地帯以外は・・ははは」
「おいおい・・そんな事をオオコウモリに覚えさせたら、逆に駄目じゃんかよ」
ダンが突っ込む。




