困難に迎え
「もうあれだ・・こうなっては、諸君が納得するまで今日はやる。そして、我々もこうなったら、実動行動をせねばならない事情と共に、君達には一切隠し事も通用しないと思うし、シン君・・そうなんだよ、日本政府だって、そんな危険は生体武器を開発したと同時に、核もそうだが、それに対処出来る方策も当然同時に開発していた。だって、そうだろう?世界列強が3すくみのような状態になって、開発に歯止めが効かなくなり、とうとう愚策であったにせよ、どこかが発動すれば終局する事も分かっていながら、とにかく核だけは阻止しようとした。核使用の場合のシェルターも準備してね・・」
「じゃあ・・大木にはオオコウモリに対処出来る何かをしかけていた。だから、俺がその大木の位置を把握していたお陰で、逃げる事が出来た。そのMAPが生きたのだと?」
「うん、その通りだ。その上で、情報企画室にはあるファイルをこっそりと忍ばせていた。シン君が自分を襲った生体が何であるのか、一瞬であっても君はその姿を何度も見ているから、画像を繋ぎ合わせ、蝙蝠では無いかと推理に行き着いた。そして、そのファイルを検索し、調べたんだよね。情報企画室の皆には与えられた仕事がある。だから、そんなファイルの存在まで気付く者も居なかった。シン君は、何も知らない若山室長より、当然何の指令もされてもいないのに、鬱憤晴らしをされるように、無茶振りの仕事を要求され、作業には説明も何もされていないから分からないのが当然なのに、執拗に責められた。しかし、若山室長は、シン君の加入当初より上の者に監視をせよと指示されていた。なので、怒りながら、何をやっているのか探っていたのだよ、君の正体をね」
「知っていたと?シンが誰かの意図を受けて配置されたのを?」
ランが不思議そうな顔をしてシンに言うと、彼は、
「ああ・・そんな事は分かっていた。だから、室内の者がどんな仕事をしているのかもある程度把握出来たので、時々ぽかをやって、叱られると言う事で、自分を異動した上の者の真意を逆に知りたかったんだよ」
「ほう・・シンは、そう言う男だったんだ・・」
シンは、優秀な男だったと改めて周囲は思った。それならこのチームのトップに立てる力量すらあるのではないかと思った。シリマツ官吏は、
「ふふ・・お互いだよ、だって組織がそう言う内部構造だったのだから、しかし、流れは変わったのだと、私も説明を諸君らにして来た訳だ。それは、我々もまた、君達を欺くのかと思われる事が合ってもならない。これから先に支障をきたすしね、リン君。なので、説明は順を追ってしなければならないと思ったんだよ」
「はい・・今聞けば、やっと納得しました」
リンも他の者も、やっと納得出来たのであった。




