第四章そのニ 繫がる世界
「当然・・でも、その栄養素?成分吸収は問題じゃ無い。そして、山切りの木の寿命も関係無い。100年、200年でも育ってくれれば、光合成は出来る。大葉は所構わずだしな。早く森林を創生させる事が重要なんだよ、コウタ班長」
「ふうん・・森林再生か・・でも、まさか、適当にばらまくつもりじゃ無いだろうな。シン班長は」
「あは・・あははは」
シンが笑った。実にその通りだったとは、コウタ班長も口をあんぐりとさせるしか無かった。
「シン班長の考えは、時に緻密さをかなぐり捨て、無策も施策に変えるんだね・・ふ・・分かったよ。まずは森林復活か」
離れていたランが、伴を連れて戻って来た。
「やはり四国には何にもねえな、広大な砂漠地帯だ。特に瀬戸内側はどこまでも北側には広い砂漠と南に屹立した黒い岩山が続いてやがる。俺の眼にも不毛の地にしか見えない」
「ラン・・それが、もう少し東進すれば、驚く場面に遭遇する事になる。でも、潮の匂いもするし、本当に北九州の俺達が見てきた光景とその点だけは変わらないよな」
「ああ・・そう見ればな・・で、佐賀の不明生物はどうなった?シンが四国西側で見たクラゲって言う生体との関連性は?コウタ班長はある程度知っているんじゃないのか?」
「ああ・・分析中だ。しかし、佐賀の不明生体もクラゲ種のその生体も、組成上は、ほぼ同じらしいと言う事だ。ゼラチン質であり、恐らく深海から上がって来たんだろうと言う事だ」
「成程・・俺達に害を成すような事も今は無いが、生物が滅亡した時も生命は深海から復活したと言うような話もあるからな、あなどれない生命体だとは思った」
「ラン・・その思った理由を聞かせてくれよ」
コウタ班長はランに聞いた。
「深海は超水圧であり、超低温の世界だろう?それにあらゆる危ないものも深海底にかなり沈めているとは聞いた事がある」
「その昔・・廃棄に困り核廃棄物とか産業廃棄物を相当深海に捨てたと言う話だな。確かにそれを人類の愚かな行為と言わず何と言うんだろう」
「その中から、こうした深海生物が海面まで上がって来る現象は何だろうかと俺なりに思った。現実に見た中で、遺伝子操作され、人為的に放された動物や植物では無く、偶然か必然なのかは分からないが、奇跡的に生を掴んだ第1ドームと言う特殊環境の中で育った我々の世代が、初めて見る地球上の生体なんだよ。つまり、その生命力は、こんな世界から、進化を再び始めようとする序章なのかも知れないだろう?」
「ほう・・深海の生体が、浅海にその活動範囲を伸ばそうと言う序章だとランは思ったんだな?面白いね、でもそれは有り得る話でもある」
コウタ班長も、にこりとした。また、もう一つ言った。




