第四章その一 矛盾の渦編
「楽しいっすか・・でも、リンが今言った事が事実なら、とっくにそんな事を予測して、植生の事を考えていた事になる。また、巨大地震、津波に関しても随分前から予測されていた?」
ショウが言うと、
「それは当然だろう?ショウ。今とは違いAIと言う超最先端、超有能な機器が、あらゆる指令を行い、無数の端末がその頃には地下交通を牛耳っていたんだ。また、火山噴火や、津波にしても、それに規模はそんな大きな隕石衝突じゃなくても、風速1000Mの風、衝撃波の事もお前は調べたんだろう?それに猛烈な熱波だ。地球上の8割以上の動植物を焼き殺したその熱も、地下ではほぼ防げる。もうとっくにそんな事は想定されていなきゃ、宇宙に人類が続々と基地を作らねえよ、ただし、太陽フレアや巨大隕石などはどうしようもねえ、だろう?」
「だろう・・ってさ・・ふ・ふふふ。何?俺ってピエロ見たいじゃんかよ、皆知っていて?」
「知るかよ、だけど、色んな話はして来た。その中で自分なりに組み立てて来た。だからこそ俺たちは、中に居ないで、外に出て見ろと言って来たし、外に出る為には一番危ないオオコウモリを御さねばならないだろうが?その準備もして来たんだよ。役割があるのは、全員だ。中の事は中でそれの専門家がやりゃあ良い。こうして、どうだ?夢想だとしても、実証が出て来るだろ、その中にさ」
「分かった・・分かったさ・・自分が初めて外でお前達と合流し、少しだけ見て来た事を知ったかぶりに言いたかっただけなのが分かったさ」
「おろ?ショウ。卑下してんじゃねえよ、雑談だっちゅうのにさ。でも、誰が虚仮で悪か善かわからなくなっちまいそうだよな、ははは。だから妄想、雑談で良いって、この場は」
ぱちぱちぱち・・拍手をしてマコト副長は喜々として戻って行った。
その後、第14班だけのメンバーで少しまた雑談が続いた。
「マコト副長は、確かにべらべら言わないと思うけどさ、ショウ、お前危ない発言だったぞ?」
リンが少し怒ったような顔で咎めた。
「え・・どの部分?」
ショウには分かっていない、自分の言葉の意味を。




