第四章その一 矛盾の渦編
「海岸部から元々橋があって、それは徳島県の鳴門って言う所にあったんだ」
「そうだな。俺の記憶でもそれはあるが?」
「けど、海底トンネルは実は、香川県から本州、そしてその一本の枝分かれで本州の近畿と言う所に通っていたんだ。だから、俺達は、海底トンネルが見つからないって思っていたが、それは橋の存在は、とっくに・・もっともっと昔から無かったって言う事を忘れていた」
「ああ!そうか・・じゃあ、この旧香川県の瀬戸内側にあるかも知れないんだな?」
「多分、こっちにあるんだろう。で・・今の話を付け足すが、隆起の影響で、つまり淡路島や色んな小島も消滅した可能性もあるかも知れない」
「淡路島って・・結構でかい島だろう?紀淡海峡、鳴門と言う所で海流があって渦が巻いていると言われていた」
「その淡路島がひょっとしたら、動いて瀬戸内側に移動したのかもな」
「おいおい・・大胆な事を言うぜ。もし地質とかそっちの専門家がここに居たら、腰を抜かすような話だぜ?シン」
シンは頷きながらも、
「俺が、湖みたいだって言っただろ、この瀬戸内海を見て」
「言っているな・・確かに、俺もそう見えるさ、うん」
「まさに、隆起して、瀬戸内海がでかい海水湖みたいになっているのかと思ってさ」
「本当にびっくりするぜって・・でも、何でそんな事を思った?どんな引き出しだ?それは。今一杯生物が居て、2人ともこの様子にびっくりした所だろうがよ?そこまで瞬間に発想が行くって所がな・・」
「それは、俺だって同じだ。めちゃくちゃびっくりしたさ・・だって不毛の大地、海を見て来て、いきなりこんなに生物がいるんだぜ?そりゃあ、何だ!って事になる」
ここはダンも少し冷静な口調になって、本来の話に戻って来る。
「あ・・けどさ・・九州の玄界灘や、海底トンネル附近には多少は見かけたよな」
「ああ・・ほんの少数の確認をケンがしている。又陸上の湖にもな」
「だとしたら、この瀬戸内海が特殊な環境であり、繁殖した理由にならないのかな」
ごく普通のダンの言葉だった。シンは首を振る。また話を再度戻すのである。
「そんな常識的な言葉じゃ説明も解明も出来ない。その特殊な環境がどうして起きたのか、ここで繁殖出来たのかの立証が大事じゃ無いか」
「だから・・それを今から調べるんだろうが・・」
シンは首を振る。
「じゃあ方法を聞く。2人でどうやって?器具は?俺達はそれ程の用意までして来て四国探索に来ていない。俺達は、今推理をした本当にこの瀬戸内海が堰き止められ、隆起して湖になったのかどうかの確認が先だと思う」
「じゃあ、調べるって言うのは、この全容をか・・そんなの陸地に居る俺達が・・あ・・そうか、オオコウモリでの空中実写か」
シンは大きく頷いた。鋭いダンが出した答えに満足したようだ。




