表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
51/1722

困難に迎え

 しかし、その時代に戻れない事も分かっている。学校と言うが、この組織内で存在する人類の数は5万人程だった。仮にここしか存在出来ないとしたら、5万人の人類がこの先種として残る比率・確率・・この先50年も持たないだろうと言う事だ。新たに供給される資材は、少ない。電力が組織内ではかろうじて使えるにしても、大型工場等を稼働出来る供給量は無い。ここまで明らかになっていなかったが、この組織内の太陽は人工的なものだった。シンがあの部屋を飛び出した時に知っていた。外の太陽とは違う事を。その電力量だけで5万人の生活を支えるには、ぎりぎりだったのである。そこで、組織外に食糧や新たなエネルギーを求めるのは必然の流れであったのだろう。地下も当然、今シン達が再々々始動し始めたように、組織外に伸びる通路を構築中なのだ。今はその時代に主流となっていた、微生物発酵の例えばユーグレナのようなものを食糧や、燃料に変え、当時の農機や電気自動車が主であったが、そう言うものを駆動させ、通路を構築中なのだ。つまり、実動部隊は表の森林だけでは無い、地下通路と言う手段も始動させていたのだ。幸いにして、鉄はどうにか得る事が出来る。その鉄を利用してやはり文明が逆行してしまうが、旧時代の機具等の研究をやらねばならない状況なのだ。

 これは、技術も必要だ。故に、養成する目的で学校と言うものがある。

 こうして、今の流れでシン達が行動する度にどうにか情報として伝わって来るようになった。

 次の朝だった。少し緊張した顔付きで、シン達はある部屋に向かって行く。本日の実動は無い。ミーティングを行うと言うことで、会議室に集合させられたシン達であった。

 エライ班長が言う。


「聞いての通り、本日の実動は無い。と、言うよりしばらく中止だ」


 少しざわざわとなる会議室。


「静かに!その理由を私が説明する」


 シリマツ官吏が、これも旧時代のスクリーンを見せた。動画では無い。スライド写真をデジタル画像に変えたものだった。


「昨日の実動で、新たに判明した事がある。我々が構築した通路3キロ間を写真撮影した結果、重大なものが見えた。それをまず披露する」


 シリマツ官吏は相当数、旧時代のカメラを使い写真撮影をしていたが、それを次々と彼らに見せるのだった。そして・・その部分を差し、


「3キロの急拵きゅうこしらえの通路で、多々不安もあったので、組織外と同様に超音波を発生し、防御服に身を包み、前進した訳だが、当然幾つかのこれは初披露になるが、地下通路を掘削している土砂を利用して、簡易的なセメントを塗り込んで通路を作った訳だ。当然ながら、その通路は、完全に組織外と遮断する構造で無ければならない。燃料重機がどうにか入れる倍程度の大きさで、進んだ訳だ。勿論、それだけでは強度が得られない。しかし、資材が無い。石灰岩はご存知かな?つまり大理石を積み重ねたものに変更したのだ」


 それは習っていた。地下通路もそう言う大理石で構築されていると言う事になるし、この組織内や地下にはかなりの埋蔵量があると言う話だ。メンバーは頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ