第三章その三 海を渡る
「だから、和良司令官が存在する、しないに関わらず、第2.5世代の誰かがその技術を受け継いでいる。その時には30年前にAIはストップしたと今聞いた所だし」
「だから、30年前までは和良司令官は居たと言う事だろう?第2世代を嵌めたんだからさ」
「じゃあ、何で、紫外線でやられ皮膚がんになった?電磁パルスの影響がこの時代まで残っていたと言うのかよ」
「俺達は何度も外に出た。しかし、野外に出る時には野外服を身に着けていたし、その対策は出来ていた。つまり、そう言う事なんだ。電磁パルス爆裂の結果、地球の磁場や、俺達が見て来たじゃないか、大きな地殻変動も起こった。太陽からの放射線が相当の影響を与えているんじゃないのか?山切りの木こそ、その防御をしている。更に言えば、もっと前の時代に既にそう言う地球的異変は起きていて、人類や動物にも多大な影響が出始めていた」
「成程・・オゾン層に大きな穴が開いている話は聞いていた。影響があったのかも知れないし、今はこの植生復活で酸素も増えているかも知れないな・・修復も少しはされたのかも知れない。そっちの話の方が、何となく納得出来そうだ」
ケンの話にしんは納得したのである。
「第2世代を外に送り出したのは、やはり和良司令官と言う事になる。そこまで功績を上げているのなら事実上のトップであるし、幹部連中も抑えていたのだろう。そして、俺達と同じように、この第1ドーム周辺の構築物を探る目的もあった」
「待て・・そこで和良司令官は第1世代と同じ年齢だと言う事になるぞ、非常に不思議な話がそこにある。もしそうで生きていたとしたら、135歳を超えるんだぞ?」
「そこ・・後にしようぜ。検証は話の順逆だ」
「まあ・・後でそれならやろうぜ、そっちの話は」
「なら話を戻す。だが・・結果的には紫外線にやられた。この状況では野外生活は出来ないと言う判断の中で、対策を練り直さねばならなかったのか・・しかし、第1世代はとっくに自決しているよな、その時には」
「実際に150年の寿命があったのなら、自決などしていなかった事にもなる。その30年前なら、90~100歳なんだからさ」
「だから、そのもっと前の90年前に外に出たんだろうがよ」
ランが少し堂々巡りの話に苛立って反論した。




