第三章その三 海を渡る
「じゃ、こっちも言う。遺伝子の事も言ったが、遺伝子にはとんでも無い変異の進化をするものがある。例えばインフルエンザは撲滅されたが、100万年の進化過程を僅か1年で変異するような驚くべきものだ。人間の優性遺伝子の中には、ここに居ないが、リンと言うもはや人類の枠を超えたような耳力、視力の持ち主が居る。トップ5の遺伝子の事を前に披露されたが、つまりその5種は変異を起こし、とんでもない個体が出現するんだ。第14班は、全員そのトップ5遺伝子を持つ可能性を秘めている」
「何で遺伝子の話を・・」
シンがぽかんとするが、
「だから、その司令官がそうだろうなと言う話だ。それまでの人類の知能を遥かに超えている。つまり、その者が生み出した光ケーブルは、俺達にも応用出来る部分があるかも知れないと思い、ずっと調べて来て、さっき言っただろう?一部端末の解除をさ。そしてその前にランがカードを見つけたじゃないか。その端末用に作られたそれぞれ独自のものだ。再生も出来ないし、壊れたらアウトだ」
「らしいな・・何枚か出て来たそうだが・・」
「その中の一つに、光ケーブルに直接関与出来る一部機能があった。勿論、コントロールとは別のものだ。これこそ、その司令官が良からぬ事を考え、自分がコントロールしようとしたものだったんだよ、独自プログラムさ。俺達は、これを解析した。ダン、そうだろう?」
「おい・・その時には、そんな司令官のしの字も出なかったじゃんかよ」
「それは言えないし、勿論言えなかった。しかし、ものすごいプログラムだったよな」
「ああ・・それが俺達に発電所の知識とか、産業資料館の情報を抜き出したり、部分的解除なんて出来る方法を見出した元だった。こう言うコマンドを潜らせておけば、自由にAIすらも干渉出来る」
「あ・・おい、ダン、お前も今凄い事を言ったぞ・・なら、電磁パルス爆裂の干渉を、もしかしたら世界征服を目論む・・*その司令官がやったとしたら?又、光ケーブルの地球規模の配線・配置網についても全部繋がって来るぞ・・」
「あ・・!」
ここで3人が絶句した。そして、固く3人で口外しないように約束をしてこの日は分かれた。そしてシンにある決意が芽生えるのであった。
*そして、その生物らしくないものこそが、本当に電磁パルス後の世界において、高分子砲なる作動が必要であろう事実に直面するのである。予想と実態は彼らをして遥かに想像を超えた世界に突入するのだ。そして中国における得体の知れない生体の事も明らかになって来る。




