第三章その三 海を渡る
「うお!この白い噴煙は熱量が300度以上もあるのか・・成分も先ほど聞いた通り、亜硫酸ガス、硫酸ガスだ。一息吸っただけでもひとたまりも無い。熱量で喉が焼ける。その上にこれは・・」
一同が絶句する。最初にこれを見せなかったのにも理由がある。どれだけこの大噴火に対して、認識を持つかと言う事だ。案の定まるで他人事、夢の話のように反応した。そこで分析に携わり、事態を深刻にとらえたコウタ班長と会議の作戦を練っていたのだ。やっと彼らは、現実が脅威に迫っている事を認識したのであ。
「竜巻は今回観測しただけでも3分から5分に一度起きます。噴煙は止まる事無く、どんどんと噴石を降らせ、既に桜島とは言えず、湾は完全に陸地になっております。更に周辺の幾つもの火山も同時噴火しており、とてつもない大きさの噴煙は、恐らく成層圏上空にも達し、その為に地球環境を乱しているものと思われます。皆様は、電磁パルス爆裂の事も言われた。しかし、もしこの大噴火が115年前に起きていたら、同じ事になったのですよ、先ほどの推論と・・しかし、有史にはその頃には大噴火は起きていなかった。これが現実です」
「すると、以前第2世代が紫外線を浴びた時には、体に有害なUⅤ-B波を浴びたと言う事か?」
エライ首班が顔を曇らせると、
「今・・推論の話でエライ班長が言われましたが、十分にその頃、噴火による影響によって、薄曇りの状態の中で、紫外線を長時間浴びた事が考えられます。近代・・今の実働班はその対策は出来ておりますが・・」
「そうか・・そう言う部分からでも噴火がその頃までに起きていたと想定出来る」
「そうです。これが推論では無く、予測・分析と言うものでしょう。我々はその線で今から考えて行くべきであり、噴火状態の動向を記録せねばなりません。当然センサーは各所に設置致します」
「そのセンサーを設置に誰が行く・・?」
尤もな自然な疑問がここで出た。
「皆さん・・ご存じの方は恐らく少ないのでしょうね。鉱山坑道の中で、皆さんは光ケーブルをこれも第14班のシン班長以下が発見されておりますが、第1ドームの倉庫内に大量に保管されておりました。これはご存じですよね?」
「ああ・・それが発電所や、第1、第2ドームをネットワークで繋ぐ、配線となった」
「そうです。ですが、皆さんは何故こんなに早くケーブルが繋がったのか、本当の理由をご存じありません。この光ケーブルと言うのは、自らのレーザー光で5ミリ角の穴を開けます。その光を浴びれば、人間の体など豆腐を切るように簡単に貫通する程強力なものです」




