第三章そのニへ 新たな局面へ
「はっきり言っているだけだ。誰よりもお前を知るからこそ、お前が誰かを見ていたって思われるのが、マイナスじゃねえか、俺は忠告してやっているんだよ、シン」
「そうか・・自分では気づかなかったが・・俺の因果のこの記憶力が・・」
シンがそれを指摘されて少し落ち込みそうに・・
「ほらほら・・だけど、お前には監視と言うか、きちんと自分を見てくれていると言う信頼感があるじゃんかよ、だからそんな嫌だなって思う奴は居ねえから安心しろ」
「このやろ・・人を脅したり、またおだてたり・・」
シンとランは、互いにやっぱり気が合うなと思った・殆ど本音で喋れるからだ。
「で・・?俺の射撃の腕を見込んで、何をさせてくれるんだよ、シン」
「本当は嬉しいくせにさ・・リンには、オオコウモリのボスをマーキングを頼んである。そのオオコウモリをライフルがあっただろ?かなり射程の長い、スコープ付きの奴だ。それを撃ってくれ」
「何だと‥時速160キロ以上で飛翔するオオコウモリを、最近では銃の射程距離も覚えていて、危ないと思えば、すぐ急上昇したり、離れたりする。そのオオコウモリをか」
「ああ・・出来るだろ?お前なら・・」
シンは、言い切った。
「出来るだろってか・・よおし、やってやろうじゃないか。そこまで煽られたらよ、で?どこに居る?そのオオコウモリのボスって言うのはよ」
「くく・・はは・・待てよ。今すぐやれとは言っていない。だが、その前に俺にその腕前を見せろ」
「どんな?」
「今から少し出ようか・・」
「今から‥夕方だがな」
「だから良いんだよ」
シンは少し強引気味にランを誘った。電動車が用意してあった。その車には、ライフル銃が積んである。
「やろ・・全てお膳立てしていたんだな?」
「ん?ライフル銃の事か?違うぜ?俺が使うために持ち歩いている」
「何?シンもライフルを使うのかよ」
「ああ・・使うさ。野外ではどんな敵が待ち構えているのか分からない。護身用に、サイレント銃と2丁はいつも持っている。ただ、俺の場合、危ないと思った動物は今の所出会ってはいないがな」
「じゃあ、護身用に持っているだけか?」
「まさか・・当然射程距離の把握や、対象に着弾する標的を撃つ練習はしているさ・・ただし、皆の見ていない時と場所でな」
「シン・・お前は、そう言う奴だった・・」




