仲間集結
「シン君、君の視点は我々も同じ見解に行き着いている。このレポートを見て、我々も急遽動いた訳だ」
「おおっ!シン君が上を動かしたのか!」
全員が驚きシンを見た。シンは手を振りながら、
「あ・・いやいや。そうでは無く、上の連中は、実際現場と言う実動部隊での体験を重視していたんだと思う。だが、死に直面するかも知れないと言う実動部隊の現状を知らせれば、誰もコースの選択上回避するだろう。だから、隠されていたんだ。情報をね。でも、今までの説明でそれは分かった。そう言うコースだからこそ、死と言うものに恐怖を感じないような教育もされていたんだと思う。だけど、エライ班長が真逆な事を言い出した。つまり、その事も何となく分かった。これ以上貴重な人類である組織のメンバーを失わせてはならないと言う意向だろう。だって、生体武器に対抗出来る手段すら放棄する事になるんだからさ。組織外の現況を変えるには、電波破壊を食い止めるか、生体武器を滅するしか無いわけだ。その為にエキスパートを養成していた。そうなんだと思う」
「いや・・素晴らしいね、シン君。そうなんだよ。今君が言われた通りだよ。でも、諸君、一つだけ安心していただきたい。我々が組織外で失った命と言うのは、初公開しますが、皆無なんだよ、実は」
「え・・ええっ!」
「確かに行方不明になったり、精神異常をきたした者は居る。だが、死んだと思われるメンバーは、全て仮死状態で発見され、全員が蘇生した。つまり、これもここまでシン君が理解されたから、公開する。が、敵生体は何らかの音域による超音波を発する。それにより、我々がやられたと見るべきだ。つまり、予想する生体とは日本の国は蝙蝠を開発したのでは・・つまり、カラスに対抗出来る生体だし、日中しか出撃しないチームには、その姿が確認出来なかった・・そう分析しているのだよ」
「お・・おおっ!」
一同に明るい顔が浮かんだ。
「そうだったのか・・」
シンの顔にも、安堵の表情が浮かんだ。更に、全く不明の生体武器である姿が、ここに来て急遽浮かんで来たのであった。だが、気をつけねばならないのは、断定でも確定でも無い訳だ。推理の上の話であり、その生体を捕獲した時、新たなステップが待ち受けるのだ。




