第三章そのニへ 新たな局面へ
シンが初めて、こう言う感情を全面に出した。しんとなる全員だった。確かに、今総括しているのはそう言う事なのだ。だからシンは立場を弁えずと招集したのだ。そして、誰も責任を取らない現場ではいけないし、ここらで指揮する立場を決めようと言う意味も含まれているのであった。
「分かった・・良くシン班長の言葉は、理解した。自分もかなりイケイケムードに後押しされて、やろうかと言う雰囲気で今回は試験開始をした。何とか、修復出来るよう知恵をもう一度絞って見る」
コウタ班長の反省の言葉を受けて、エライ首班も・・
「今回は、我々の構築・設計したパイプ配管や、機器などの稼働がどの程度なのか早く結果を知りたくて、コウタ班長にせっつかせてしまった。反省するのは我々にもある。或いは、その配管や、機器などを繋ぐケーブルに負荷がかかったのかも知れない。もう一度見直して見るよ」
ここでシンが言う。
「はい、そう言う事だと思うんですよ、それでこの状況になった反省をもっと次に生かして、簡単に諦めるような発言は慎んで貰いたい。何としても発電設備がこれからの我々の生命線となるでしょう。ここで、提案が一つあります。聞いて頂けますか?」
え・・提案?シンがまたまた何かを提案すると言うのか、今の誘導は双方に擦り付け合いをさせないと言う意義だったが、コウタ班長は、
「どうぞ・・シン班長の提案はいつも我々を驚かせるからね・・今の言葉も本当に堪えたよ」
「いやいや、コウタ班長。会議と言うのは反省もそうだけど、前向きのもので無くてはいけない。総括する時もそうだ。反省ばかり述べていたって、次回はミスをしないと言う事だけに終始する。今度はもっどどうやるか、こんなミスを、よりもっとしないように進める方法を提案すべきだと俺は思っている。だから、これだけ水があるんだ。それも有効に考えないかい?地熱でタービンを回し、電力を創り出す方法は、それも有意義だけど、何も湯にしなくても、簡素に出来る方法は無いか・・ずっと、皆に内緒で調べて来た。大きな電力は、大きな動力に使えば良い。発電設備は、管理指令の出来ないそんな1個しかないコントローラーより、手動でも良いから、人の手で動かそうよ。当然ミスもあるし、やる事が一杯ある。もっと組織内から、出来る者を呼び、教育すれば良いと俺は提案したい。それと、配線の劣化?不備?そんなもの、もっと丁寧に、慎重に全品やるべきだ。その上で、テスターもあるんだから、やり直せば良い。あるものがそれしか無いんだから、つぎはぎでも良いから活用せねば、全部取り外して、全検品するべきだよ、そんなの」
「全品・・かあ」
ランが溜息。




