第三章 その一決意
「ああ・・船を作りたい。もう少し湖の中心部分や水深や泡の出ている場所が他にも無いか、或いは、本当に魚類や貝類が居ないのかなとか、知らべる事や山程ある。そう思うんだがね、俺は」
「良いよ、リン・・ケンと一緒にここへ暫く滞在したいって事なら、木もある、ロープもお得意だ。そんな事なら簡単に出来る2人だろ。ピンの餌にしたって、周辺の動物を少し調達する位お手のもんじゃ無いか、やって見ろよ、俺とダンは、この石板の事とか、少し塩化物泉の事も少し調べる。どうせ、ケン・・お前は仮住まいと言うか、もう監視小屋を作っていたじゃないか、少し補強したり、頼もしい相棒が山切りの木の下で番をしてくれるしな、ふふふ」
シンが言うと、彼らもそのつもりだったのだろう、ダンも重要な役目があるシンと共にいつまでもこの活動をしている訳にはいかない。再び、もうすぐ始動する発電所の所に戻った。コウタ班長が、シンを探していたのか、すぐ怒った顔をして現れた。
「おい!シン班長、探していたのに、どこへ行っていたんだ?連絡位すぐつけられるようにしといてくれよ、いよいよヤマ場を迎えているのに、ダンも居ないしな」
「ああ、済まん。ここはエライ班長や、コウタ班長に任せとけば、俺達もやる事もあったしな・・で?何の用?血相を変えているようだが」
「障害が見つかった」
「え?何?」
シンとダンは咄嗟に思いつかなかった言葉だった。




