仲間集結
一端休憩を取る事になった。彼らも選ばれて来た体力だけのメンバーでは無い。学力も認識力も判断力も優秀だと認められた上で、編成されているのだ。ある程度、小切れ小切れでエライ班長もここまで説明もしてくれていた情報に、より詳細にシリマツは査長と後ろにつくのだそうだ。そんな説明もしてくれているのだった。一緒に行動をすると言う事が、彼らにも言葉だけでは無い重みを感じるのである。雑談は余り無かった。これから出発まで色んな情報を取得せねばならなかったからだ。そう言う敵だとはっきり分かったからには、これからあらゆる情報を更に集め、シリマツが得た情報を、分析部や、開発部と言った知り得ない部署だが、そこで生き残る手段を探って行くのだろう。
「ざっとだけだが、そう言う生物兵器に対する調査目的だとお分かり頂いた上で、もう一つ、我々が最も危惧するのが、突然変異を起こすべく、DNA変異を加えた動物の一種を報告する。これは、既に100年前にT国が開発したものだ。恐るべき生物兵器と言えるだろう」
「分かっているのですか!」
「うん、この種だけは情報合戦の中で、世に一番先に出た。故に、阻止すべき電波破壊防御をしたのだ。暴挙で愚かだと言ったが、どうする事も出来ない未曽有の破壊活動によって、簡単に国が破壊される危険性を感じたからだ。これには、当時あった重火器や戦闘機などは、効力を発揮出来ない。出来るのは一瞬で全てを滅する核だけだったのだろう」
「だから・・愚を承知でやったと・・」
「そうならざるを得ない程緊迫した状況だったのだろうね、では、その生物兵器を伝える。その生物兵器とは鳥だ。カラスなんだよ」
「カラス!え・・カラスが生物兵器なのですか!」
「鳥類の中では知能も高く、今言ったように、統率が取れ、DNA変異を起こした個体は、集団を組織する。そして、小型の超破壊力を込めた爆弾を投下する。勿論、普通のカラスが兵士となって、世界中の都市機能を破壊するのだ」
「うお・・それは防ぎようが無い」
「だよね、個体数も非常に多く、どこの国でもカラスを駆除する所は少なかった。そして、見た眼も変わらぬ変異個体のリーダーを発見するのも困難だ。機銃掃射などである程度駆逐しようとすれば、小型爆弾が爆発してしまうのだから、どうしようも無いのだよ」
「だから、全ての電気信号系の基を絶ったと?」
「そうだ。それしか、最善の策は無かった。だが、それが現在の状況となっている事実でもある」