仲間集結
「あくまで調査と言う事ですね。では、推定ですがその敵・・生物とはどのような対象になるのでしょうか?まるで分からないと言うのであれば、俺達が味わって来たこれまでと何ら変わりありませんから」
「ショウ君、君の負う通りだよ。確かにそうだ。ここで、これも初めてチームとして参加するが、調査分析官の四里奉君にその説明をして貰う事にしよう。すぐ呼ぶ。あ・・シリマツ君と呼ばせて貰うが、我々の11名に加えて、彼が初めて事務系・研究系のメンバーとして実動チームに合流する事になった」
おお・・それも初めての事だ。何かが少し変化しようとしていた。それが10年と言う短いものの、その歳月がそうさせたのかも知れないなと、シンは思った。だが、まだまだ謎だらけであった。組織にしても、組織外にしても、未知の生物?にしても、実態さえまるで分かっていないのだから、彼らには。
そのシリマツは、すぐやって来た。恐らく合流するべきタイミングもあったのだろう。濃い眉毛の確かに研究畑である学者のような男だった。黒い眼鏡をかけていた。
「よろしく、エライ班の諸君。私が、初めてこのチームに参加させて貰う事になったシリマツと呼んでくれ。そう諸君も簡素な名で呼び合っている事を承知なので、これからはそう言う通称名で。さて、今回からこの10年の蓄積によって、この国が8か所のシェルターを持っている事が判明した。それをまず報告しておく」
「あの・・よろしいですか?」
マコトが手を挙げた。
「はい、どうぞ。説明途中であるが、質問は随時受けるよ、マコト副チーフ」
「副チーフ?」
「ええ・・今はそう呼ぶ事にする。それぞれ、諸君達には、通称名の後に、役職だと思って頂きたいが、その呼称がつく事になる。で?質問をお受けする」
「は・・い、あの、8か所のシェルターって、一体・・どう言う事なのでしょうか?つまり、我々の現在いる組織と同じ建造物が8か所と言う事ですか?」
「その通りだ。我が国・・いや、恐らく、この星にある200以上の国の中で、高度文化圏を持つのは80国、その国ではそれぞれ同じような、シェルターを持つと思われる。ただ、現存しているか、或いは壊滅しているかは定かではないのだ」
「そう言う、我々が知り得ない、この国の過去の履歴のようなものがある訳ですか」
「その通りだ。しかし、そうなるまでのプロセスがあった。それはそれは、今では愚かな過去だったと認識されている訳であるが」
「あの・・愚かな過去?」
ケンが聞いた。