仲間集結
もう質問者も何も言う事は出来なかった。自分達の置かれている現状を初めて知ったからだ。そして、それが喫急に迫っている事も悟ったのである。
その為に実動部隊を出撃させている・・目的は分かった。しかし、何故彼らなのだろうか、この組織内で動く重機なども使えないのだろうか。もし、他の国で、この世界の闊歩が可能になった所があれば、その国が世界を御するのでは無いのか、数々の疑問が又もたげて来る。だが、今この近隣では少なくてもその国は無いようだ。あれば、何かの信号があって不思議が無いからだ。ただ、その信号をキャッチ出来る装置が、組織外に設置が出来ないと言うのも現実だった。
改めてエライリーダーは、10名のメンバーを集めて、実動部隊を発足した目的や、今回は全く編成も行動パターンも、以前とは違う事を力説するのだった。勿論、その直属の上からある程度の情報は与えられているのだろう。行動する具体的な指示を、初めてシン達は受ける事になった。
「良いか!確かにこの10年だ・・君達が様々な適正テストをクリアして、チームに配属され実動部隊として生き延びて来た。この10年と言うが、組織として初めてそう言う決定があり、実動部隊として活動を始めたのが、その記録になる」
「あの・・俺達は、今まで殆どこう言った指示や注意事項も無く、そして今回使用する武具や武装についても初のものです。そして、エライリーダーの言われる、決して死に対して、軽視をするな、生き延びろと言う言葉にも新鮮なものを感じます。俺達も、色々今回教わった事の無い体験をして、これから実動に入ると言う事ですが、主目的とは何ですか?知り得る事は、少しでも知っておきたいんです」
質問をしたのはショウだった。彼は理論的に思考が出来る者のようで、美女姿で周囲には奇異にも映るが、確かに男性と言う事だ。しかし、その言動は完全に男なのだった。
「主目的とは、未知の生物の痕跡を調査する事だ。しかし、言っておくぞ、ここまでくどい位に繰り返し説明もしたが、我々は敵と言おう、しかし、闘う事を主目的にはしていない。武具も武装も護身の為にある」
おお・・少し声が上がった。
何人も質問はしない。ここはショウが質問を続ける。