第一章 進の日常
「お前には、実働部隊に再び戻って貰おうと思う」
「左遷ですかね、それは」
「馬鹿野郎!今、どんな状況か分かっているのか!この危機的状況を打破する為に、あらゆる知恵を絞り、確かにこの企画情報室にお前を配属した。だが、お前は10年間も第一線のチームで命を失う事も無くやって来れた貴重な存在じゃないか。それも、お前の居たチームは、どれも苦難の連続で、撤退を余儀なくされた。現在そのチームリーダーが不在である為、已む無く、ここへ一端配属されたんだよ」
え・・そうだったのかよ。こんな冴えないシンがねえ・・そのシンは、10年と言えばかなりの中堅のように思えるが、年からすればまだ25歳なのだった。企画情報室のメンバーも、やはり結構若く、平均年齢が22、3歳と言う所であった。
聖進、通称シンと呼ばれている。つまり、使えない奴では無いと言う事を、この上司、一番ここでは年齢も高いが、少しがっちりした体格の若山和郎は、その叱責の中で言っている。
「お前は、まるで気の抜けたように、事務仕事にしても、何だ、この計画書は。日付もとっくに過ぎているのに、実行日の訂正もしていないばかりか、そのままコピーしているだけじゃ無いか。だから俺は怒っている」
「はあ・・済みません」
「良いよ、もうその事は、つまり、シン、お前にはこう言う事務仕事よりも、実践チームで活動したいと思っている・・そうだろう?」
「確かにそうですが、俺はトップになるのは嫌です」
「ふう・・お前の経験値、ここまで第一線でやって来たノウハウや、危険を察知出来る能力を決して上も評価をしていない訳では無い。しかし、だが、このやる気の無い企画書は何なんだ?一体」