第一章 進の日常
「うお!こいつらノックもしやがらず、入って来たあっ!」
ここはランの部屋だった。2人が突然入って来たのだ。
「鍵が掛かって無かったのかよ、ラン」
ショウが言う。
「は・?そんなの自動ロックじゃんか、簡単に外から・・」
「そうか・・お前らは組織の監視者かよ」
シンの眼が光った。怒っているのだ。
「おお・・そんな怖い顔をしないでくれよ。そんな事は今までも日常だっただろう?自分達は常に組織によって、管理・監視されている。この会話だって、勿論筒抜けなんだよ」
「じゃあ、お前らは?」
「紹介が遅れたね、メンバーに加わる事になった、佐天、右天だ。俺達は見ての通り双子さ。立つ位置で左、右で覚えておいてくれ」
「そうか・・お前達が、でもさ、今日初めてショウが俺達のメンバーに加わって、今までお前達・・サテン、ウテンの存在なんて知る事も無かった。訓練にも居なかったし、聞いた事も無い名前だ」
「じゃあ、自己紹介方々、俺達も話に加わせてくれ」
「その前に謝れ」
ランが怒った顔で言う。
「ああ・・ノックの事なら済まん。でも、俺達は確かにノックしたぞ?」
「え・・した?聞こえなかったが・・」
ランのトーンが、少し下がった。
「その説明もしなきゃな。座らせて貰おう」
椅子は十分に部屋にあったし、かなり部屋も広かった。10人座れる位のテーブルも椅子もあった。