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シンカラス  作者: 白木克之
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第二章 ドーム外編

 エライ首班が言う。


「それは、もうそこまでにしよう。幾らここで非難しても、もう仕方が無い事だ。その者達も粛清された事であろうし、猛烈に我々も腹が立つのは、同じく分かる。しかし、我々はとにかくここまで来た。今から何かをせねばならないのだ。そうだろう?諸君」

「はい・・」


 シン達も頷くのであった。


「そこで、もしそうであるならば、ここを監視する事になるだろう。そして、どこに扉があるかも、情報を収集せねばならない。そう言う事を伝える会議であった。しかし、思わぬ動物達の逆襲だった。多勢の無勢・・しかし、我々は使えるものを使い、何とかこの状況を打破せねばならない・・かなりの者が今後野外に出て活動する事になるが、やはり我々が中心になって活動する事の基本形は同じだ。そして、何らかの装置を使い、動物たちを我々から避ける方策と、どうやら、提案のあった犬ぞりなんだがね、その内に本当に稼働するかも知れないよ。ただし、オオコウモリをいかにして攻撃させないかの方が先だ」

「ですよね・・時速160キロ以上で空から襲われるんですから」


 その案を否定的に思っていた何名かが、即そう答えると、


「まあ・そう言う電動車のようなものが使えないと言う時点の発想だからね、提案を生かすには、色々何事においても知恵を絞らねばならないと言う事だ。しつこいようだが、我々の任務とは命があっての物だ・・それをまず優先しなくてはならないのだ」

「はい・・」


 ここでもエライイズムがそれを納得させている。エライ首班は続ける。


「動力は、電気がもし使えたとしても限定的にしか過ぎない。我々は生産設備を持たないのだから、今そんな最新情報を披露して、君らに喜んで貰っても、実際は変わらないんだよ、状況は殆どね」

「しかし、知る事と知らない事では大きく違うと思いますが・・」


 ランが言うと、エライ班長が首を振る。


「いや、同じだ。誰よりも早く情報や知識を得る。その者は人より自分の方が、情報が早い。良く知っている・・そう言う優越感を得るかも知れないが、それはその情報を使いこなして、使えて初めて生きて来るものだ。生兵法と言ってね、知識だけは豊富だと言っても、使えなきゃ実践で生きては来ないんだよ、ラン君、君はその情報や知識を実践で生かして来た、また消化出来る能力がある。だからこそ、生きたものなんだよ。我々が、その電子制御の稼働が可能になっている事を知っても、この装置がもう一度言うが、日本人が、ものを大事に、大切に管理して来たからこそ、今も生きているんだ。他の国はどうだろうね。そして、もはや船も飛行機も自動車も動かないし、現存もしないと私は思っている。もし生き延びている各国の子孫が居たとしても、独裁国家や、社会主義的国家では、その仕組み自体が崩壊しているだろう。我が国でさえも見たら分かるだろう。これだけきちんと計算されて、ある程度の管理はあったかも知れないが、色んな到達点が同じでも方法論でもめるのだ。それはどこにあっても同じ事。一例を挙げたが、強圧なシステムは機能しているかに見えて崩壊するものなのだよ、この僅かな人間しか住んでいないドーム内組織にしても、内紛が起きているんだ」


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