第一章 進の日常
翔が男と知り、そのままショウと呼ぶ事になるが、近くに寄り握手を交わすと、やはり、筋肉のがっしりとした男性であった。しかし、相当の美男である事は間違いない。それも金髪が長くて美しい。
「とにかくだ。体感訓練は初めて、今回実動部隊に採用した。それは、今後必要になると見たからだ。今日からは3人一緒に行動して貰う事になる。
「あの、ショウはこの体感訓練をやらないんでしょうか?」
ランが聞く。
「必要無い。もうとっくにやっている。と、言ってもシン君とラン君がメンバーに決まるちょっと前の事だがね」
「そうか、ショウもやったのか、この訓練を」
「ああ・・きつかっただろう?この訓練に耐えきれなくて、チームに加われなかった者が殆どだったのさ」
「じゃあ・・」
「そうだ。3人目の達成者だ。どうやら、エライリーダー、今度のチームは相当な精神的ダメージを受けるようなミッションになる訳ですね。自分の理解上ですが」
「そうなんだ・・そう言う事になるだろう。皆は、確かに死への恐怖心も低い。しかし、死ぬと言うのは、例えバーチャルで味わったとは言え、苦しみを我が身に受けると言う事だ。ここまでの君達のミッションの中で、ショウ君のチームもほぼ全滅の憂き目に遭ったが、殆どは肉体破壊では無く、精神的変調を来たした者の方が多かった」
「あの!俺のチームは違いますが」
シンがそれを否定する。